仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

‘ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界‘展   三菱一号館美術館(東京丸の内)

フランスのジュエリーブランド ショーメの展覧会です。

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感想をまとめると

   ・この美術館には二度と行きたくない。
   ・ショーメは、お高くとまった権威主義のブランドである。



美術展をさまざま見ていると、当然当たり外れはあります。
しかし
「入場料、返せ!」と思ったのは初めてです。


【問題点】
・美術展のチラシの地図の表記が不正確なので、駅から徒歩5分にも関わらずたどり着くまでストレスがたまり、
たどり着いた建物の案内図も不親切な表記で入り口がわかりにくく、入場する時点でイライラしていた。

・入場料が高い。1700円は都内の有名美術館であっても、なかなかない値段。

・チケットを買うとき、「スイカで」と言ったら、「払い戻しはできませんので注意してください」だって。スイカをどこで使ってもそんなことをわざわざ言われたことはない。大体現金で払ったって、払い戻しはしない。

・展示会場内の係員の人数が多く、しかも気に障る言動をとる。(ふつう会場内の係員は存在感を極力消している)

・会場は、二階に分かれており、小部屋がつながった作りなので移動が多くて順路がわかりにくい。鑑賞の集中力をそぐ。

・説明書きがわかりにくい。映写映像のため、説明板が見えなくなっている部屋もあった。

・(おそらく特に高額の展示品の前に)警備員(老齢男性)が立っており、工事現場を通過するときのような案内をされた。美術品鑑賞の雰囲気がだいなし。
                             ←私的には、これが重大な問題点
 


【参考】
      鑑賞後のアンケートを書く場所があって、今まであった質問への回答が掲示されていた。
・入場料が高い→諸経費を考えて、最低限の金額にしている
・係員が多すぎる→展示品の持ち主から展示品すべてに目の届く人員配置にするように言われている。



【考察】
平成になってから初めて図書館ができた自治体の、開設当初の図書館の様子を見たことがあるが、住民が図書館のマナーというものをわかっていないので、混乱していた。
この美術館の様子からそのことを思いだした。ホームページを見てみると、まだ創立10年もたっていないそうです。なるほど、運営が洗練されていないはずだ。

組織を見れば、その長の人間性が推測できる。ホームページに館長の紹介があった。なるほど、と思うような人でした。

所蔵作品を見たら、「形だけ」というようなリストでした。おそらく、自館所蔵作品だけで展覧会を開くことはできない。つまり作品はよそから借りてくる。だから入場料が高い。会場を監視する係員を多く置かなければならない。
また、館員にプライドが育たない。どこの美術館でも働いている方はそれなりの雰囲気を持っておられるもので、それは自分の館・収蔵品に対する愛情や誇りなのだろうと今回感じたが、きっとこの館で働いていてもあまり身につかないだろう。


(元)私設の美術館のタイプとしては、
・古くから現在まで高い経済力・文化性を持つ家・企業が、設立し維持を続けている
・創設者には力があったが、後継者が維持することができず、自治体に譲渡した
・創設時の規模よりも縮小したが、志を保ってほそぼそと運営を続けている
                                        というふうに分けられるように思います。

三菱一号館美術館はそもそも、美術館を設立するほどの文化性、思想、理想、運営力、収蔵品にかけているように感じました。


アンケートを記入して提出しても、腹の虫がおさまらなかったので
係員の方にぶちまけたところ、しっかり話を聞いて対応してくださいました。
でも、館自体に問題が大きく・・・、気の毒だなあ。






ショーメについて。

とにかく高飛車!
万が一、大金持ちになることがあったとしても絶対買わないから!
(ホームページを見たら商品の値段が表示されてなかったから、値札を見て買うか決めるような階層は相手にしていないようです)

美術展の説明書きからそう思う。
ブランドのコンセプトや歴史的変遷からも思うし
説明文の物の言い方からも感じる。


以前に国立博物館のブルガリ展を見た時にはそんなことは思わなかったから
貧乏人のひがみではないはず。
会場に監視人を多数置いたりもしてなかったし。

盗難への警戒感を来場客にまともに感じさせるくらいなら
そんな企画は行わない方が良い。