仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「日本民藝館手帖」  日本民藝館   [ダイヤモンド社]

駒場の日本民藝館の手引き書ですが、柳宗悦・民藝活動の入門書としても 適当だと思います。 宗悦氏の思想や民藝活動の推移がわかりやすくコンパクトにまとめてあります。 「民藝品」とは何か、以下のように定義づけています。 ・実用性=鑑賞を目的に作られ…

「きもの美  選ぶ眼 着る心」  白洲正子   [光文社知恵の森文庫]

白洲正子氏は、日本の古典芸能・美術に造詣の深い文筆家 夫は白洲次郎氏 この本は正子氏の着物哲学を語ったエッセイで 着物や古典に関心の高い方々にとって、古典的名著のようです。 一般的な人向けに書かれているのでわかりやすい文章ですが、 やっぱり着物…

国立能楽堂  8月公演 ‘素の魅力’

東京 千駄ヶ谷の国立能楽堂に行ってきました。 劇場としてはこじんまりとした感じの建物ですが、 さすが趣のある和風建築で素敵でした。 中庭をとりかこんでぐるりと建物が建っています。 室内のインテリアも、御簾や格子戸が使われていて日本の伝統を感じさ…

我が家の百合

我が家の庭の百合が咲きました。 清楚なたたずまいが良いですね。

「文章読本さん江」  斎藤美奈子   [筑摩書房]

世に無数に出ている「文章読本」を概括し批評した本 (文章読本は、プロの文筆業者が素人向けに書いた文章指南書のこと) エッセイ風な語り口ですらすら読めます。 裏表紙のコピーに「斬捨御免あそばせ!」という通り、 既成の権威を斬りまくってる痛快な一…

「銀の匙」 中 勘助  [岩波文庫]

作者の少年時代の思い出を自伝風につづった小説 一般的には有名ではないと思いますが、知る人ぞ知る作品。 夏目漱石が高く評価していたそうです。 東京の元士族の両親の下に生まれた作者は 病弱な生まれつきで、幼いころは溺愛する伯母さんにつきっきりで 育…

「きもの便利帖」  君野倫子  [河出書房新社]

名前の通り、着物を着て暮らす上での便利情報がたくさん載っている実用書 ホントに便利です! 記事は写真付きで簡潔に説明されていて、参考書っぽくてわかりやすいです。 着物関連の情報が微にいり細にいり、多数載せられています。 着物を普段着として、と…

『帰れないふたり  海街シリーズ4』  吉田秋生   [小学館]

「月刊 Flowers」に連載中のシリーズ4作目 雑誌掲載後すぐにコミックスになるのは、やっぱり人気があるのね 表紙 倒壊した鶴岡八幡宮の大銀杏が在りし日の姿で描かれていて、ぐっときました。 ‘作者のことば’より 八幡さまの大銀杏が倒れて大ショック…

「樋口可南子のきものまわり」   清野恵里子  [集英社]

女優 樋口可南子さんが、着物について語ったエッセイ といっても文章はご本人ではありませんが。 写真のページがたくさんあって、眺めて楽しめます。 芸能人・文化人との対談風の回、結城紬、好きな美術館で、小物類、伊兵衛織、などなど バラエティに富んだ…

日本民藝館    ‘芹沢銈介と柳悦孝 -染と織のしごと-展’

東京 駒場にある 「民芸運動」創始者の柳宗悦 創設の美術館です。 建物の設計から宗悦氏が手がけたそうで、建物自体が一つの作品ですね。 見て美しいだけでなく、生活空間として居心地よく出来ていて 各所に置いてある民芸品のベンチに座ってぼーっとしてた…

「きものがたり」   宮尾登美子   [文春文庫]

芸道小説の大家 宮尾登美子氏の着物エッセイ ご自分がお持ちの着物について、月ごとにテーマを決めて12の章立てで 語られています。 1月:礼装 2月:羽織 3月:訪問着 4月:桜のきもの 5月:大島 6月:縞のきもの 7月:薄物 8月:帯 9月:刺繍の…

相模薪能  寒川神社

8月15日に行われた 寒川神社の薪能です。 会場一時間前にはずらーっと並んでいました。 何時間も前から並んでいる人もいたとか。 本殿前に舞台がしつらえられていました。 お能の起源は寺社の客寄せのアトラクションですから こういう舞台が本来なのでし…

「和のシンプル生活」  森荷葉   [筑摩書房]

作者の森荷葉さんは和文化プランナーという、 日本文化のレクチャーやコンサルタントのような仕事をしている方 タイトル通り、和の文化を取り入れた暮らし方を書いたエッセイ 表紙は森さん宅のインテリアの写真 ジャケット買いしたくなります 活字の字体やレ…

「MOTHER GOOSE マザーグース」  [英米]

講談社英語文庫、760円 このシリーズは洋書を安価で手に入れられて便利です。 本屋の近くの棚にあった、輸入洋書のペーパーバックを見ると 日本の製本技術は優秀だなと思います。 マザーグースは英語の童謡集 英米人にとって必須教養で、聖書やシェイクス…

猛暑と闘う日々

また真夏~猛暑日が続くようになり、しんどいです。 少しでも涼しくなることを考えながら、暮らしています。 バスや電車に乗る時は、日の当たらない方に座る。 道を歩くときは日陰を選ぶ。 朝晩、家の回りに水をまく。水を浴びる。 朝、帰宅後、就寝前と一日…

暦のことば  ‘葉月’

八月の異称 橘春(きつしゅん)、紅染月(こうぞめづき)、ささはなさ月、秋涼(しゅうりょう)、豆雨月(ずう) 桂月(けいげつ)、天岡(てんこう)、南呂(なんりょ)、雁来月(がんらいづき) 葉月の花 薊(あざみ)、捩花(ねじばな) 季節 二十四節気 …

寒川神社 相模薪能 講座

8月15日に寒川神社で行われる薪能のシテをつとめられる 中森貫太氏による事前講義です。 某カルチャーセンターの講座なのですが、 当日の入場券が付いていたところが魅力です。 当日の演目のことだけではなく、 能楽の成り立ちや歴史を、当時の時代背景に…

ぼんぼり祭り  [鎌倉 鶴岡八幡宮]

立秋の前後三日間に行われる行事の総称だそうです。 参道や境内にたくさんのぼんぼりが並べられて、夜は大変美しいです。 近隣の店舗の奉納もありました。 著名な方の書画がずらり並んでいて、びっくりしました。 どなたがいるのか、オリエンテーリングの気…

「山頭火 漂白の跡を歩く」   [JTBキャンブックス]

自由律俳句で有名な 種田山頭火 の人生と俳句を紹介した本です。 JTBの本なので、旅行ガイド的です。 自由律俳句は、山頭火と尾崎放哉が有名ですが、 規格外のもので名をなしただけあって、両人とも満たされない人生の 人だったようです。 山頭火は地方の名…

‘遊行の盆’   藤沢 遊行寺

盆踊りに行ってきました。 遊行寺は時宗の総本山で、時宗は踊り念仏で有名です。 盆踊りの始まりだと言われているそうです。 だから本場中の本場の盆踊りという訳ですね ぼんぼりがずらっと並んでいて、風情があります。 うちわを配っていました。 やぐらを…

‘ワシントン ナショナル・ギャラリー展’   [六本木 国立新美術館]

印象派・ポスト印象派の展覧会ということで行ってきました。 洋画では印象派が好きなので。 有名な画家しか知りませんでしたが、 けっこういろいろな人がいるんですね、印象派。 おみやげの絵はがきより コローの「うなぎを獲る人々」 洋画家では、この人が…

銀座のお買い物

お草履です。 与板屋さんという明治創業の老舗で買いました。 鼻緒を選ばせていただき、その場でつげてもらいました。 応対してくれたのは、いかにも職人さんらしいご年配の方で 安心して買い物できました。 足のサイズが標準外なので、履き物を買うのは難し…

残念な時代小説

先日、読んだことのない作家の時代小説を手に取ってみました。 そこそこ売れてる本です。 最初からなんとなく違和感があったのですが、 二話目(短編集の)を読んだところで、がまんできなくて放りだしてしまいました。 ストーリー構成・人物設定が甘いとか…

8月のカレンダー

和泉式部歌集カレンダーより 8月の題材は、撫子ナデシコ(常夏とこなつ)と、桔梗キキョウ(朝顔)の花 咲きしより 見つつ日頃に なりぬれど なほ常夏に しくものぞなき ありとても 頼むべきかは 世の中を しらする物は 朝顔の花

八月のことば

扇面 法華経 冊子 断簡 出光美術館 蔵 扇形の絵の上に、法華経が書かれているという凝った書 絵は、男の子と女の子が水遊びをしている図のようです。 2011 古筆カレンダーより