仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

残念な時代小説

先日、読んだことのない作家の時代小説を手に取ってみました。
そこそこ売れてる本です。
 
最初からなんとなく違和感があったのですが、
二話目(短編集の)を読んだところで、がまんできなくて放りだしてしまいました。
 
 
ストーリー構成・人物設定が甘いとか、文章に味わいがないとか、いくつか不満はありましたが、
許せなかったのは、時代背景をふまえていないところです。
具体的に言うと、ちっぽけな商家の娘が武家の若者に対して無礼な口を聞いた場面で
私はキレました。
 
絶対的な身分制度、男尊女卑の社会でありえないです。
心の中ではバカにしていたとしても、お武家様に対して町娘が偉そうな口をたたくなんて
許されないことです。
 
舞台設定が昔なのに、人物の描き方は現代そのもので
ちぐはぐです。
 
 
 
現代物の小説にも浅薄なものはたくさんあると思いますが、
時代物だと余計に腹立たしくなります。
あえて違う時代に舞台を求めるのならば、それ相応の質の作品にしてほしいです。
 
私の中では時代小説は、優れた作家の描きだす、現代にはない夢の世界なので、
冒涜されたような気持ちになります。
 
NHK大河ドラマ「江」を見た人もこんな気持ちになっているのでしょうか・・・。