仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「私の好きな書」  大東文化大学書道研究所  [二玄社]

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この本が最初に発行されたのは昭和40年代
 
道教育に力を入れている大東文化大学の書道文化センターが
発行している書道誌「大東書道」の
連載記事「私の好きな古碑・名跡」をまとめたものです。
 
数年前、新タイトル・新装丁で再刊されました。
 
 
 
 
 
昭和の名書家123人が、自分が学んだ古典的書を紹介するという
ゴージャスな企画です。
 
「一粒で二度おいしい」本です。
まず、書道を学ぶ人が知るべき古典的名書を概観できます。
 
数ある名書を自分で選んで学ぶというのは
ある程度知識を身につけてからでなくては出来ません。
名書のシリーズ本はいくつもありますが、どれを手にとってよいやら判断できません。
 
123人の選者なので、選ばれた作品はバラバラですが
ある程度は傾向があります。
古典中の古典的名書はやっぱり複数から選ばれていますし。
 
それから、どうしてこの書を選んだのかという理由が
述べられていますから、
そこから自分の好みと合うかどうか考えられます。
 
 
私は、古典的書を機会あれば見る、という段階は大分こなしたので
次に、種類や作者などねらいをもって鑑賞するという段階に行きたいです。
そのための手引き書としてもってこいの一冊です。
 
書の種類くらいはわかるようになりましたが
それぞれから、何を読み取って味わえばよいのかがわかりません。
そこで、選者の解説がとても参考になります。
とくに同じ書を選んでいても、理由は違っていたりするのが興味深いです。
やっぱり見る人によって読み取り方は違う訳ですよね。
 
 
 
 
 もう一つは、近現代の書家を知るという意味で勉強になります。
 
書を学ぶのは歴史的な書から、だと思いますが
慣れたら同時代の書も見ていけるようになると
もっとおもしろいだろうなあと思います。
 
昭和の書家のお歴々がそろっているようなので
(私は名前を見てもわかりませんが)
そういう意味でも良い本です。
 
 

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解説の後に、その書の写真が載っています。
 

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各種、とりそろっています。