仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

本/詩歌・芸術・実用

「東山魁夷 ART BOX  美の眼差し」   (講談社)

美術系の作品集なのに、小型で軽く持ち運びできるという便利な本 写真が多く、オールカラーなので 絵本感覚で眺められます。 【全4章】 第一章は、魁夷の作風の変遷がわかるように 代表作を年代順で並べてあります。 第二章は、魁夷の収集作品が国別に並べ…

「やってはいけない実家の相続」    天野隆  (青春新書)

必要性を感じるようになってきたので 書店や図書館で相続関係の本をあたっています。 さまざまな本があり、アプローチの仕方も何種かあります。 「相続税は減らさなきゃ損!」的な内容の本は その方法を事細かに述べていたりします。 「そりゃ税金はできるだ…

「書を楽しもう」    魚住和晃     [岩波ジュニア新書]

初心者向けの書道入門。 鑑賞、自分で書く、両面からアプローチしています。 中国・日本の書道の歴史の概括、 「筆力」とは、 石に刻んだ書、 歴史的人物の書など 各方面から書の魅力を語っています。 章として取り上げられているのは 王羲之と良寛。 中国と…

「すぐわかる 水墨画の見かた」    島尾新   [東京美術]

この美術入門「すぐわかる」シリーズはわかりやすくて手に取ることが多いですが この本は特におもしろかったです。 何が、というと筆者(監修者)が、です。 こういうマニュアル的な本を読んでいて、筆者はどういう人なんだろうと 興味をもつことはあまりな…

「ふつうのお寺の歩き方」   広尾晃   [メディアイランド]

今まさに探していた本、 タイムリーでした。 内容はタイトルの通り お寺めぐりの手引き書です。 ただし「ふつうのお寺」の。 有名寺院のガイドブックとは違います。 どこの町にもあるような、ごくふつーのお寺を お参りしてまわるための案内書です。 寺社め…

よくわかる伝統文化の歴史シリーズ      [淡交社]

日本の文化美術を、時代ごとにまとめて概括したシリーズ 全5巻 ①「花ひらく王朝文化」 平安・鎌倉時代 ②「茶道・香道・華道と水墨画」 室町時代 ③「黄金文化と茶の湯」 安土桃山時代 ④「大名と町衆の文化」 江戸時代 ⑤「文明開化の日本改造」 明治・大正時…

「鑑定の入り口  やきもの百科」   中島誠之助  [淡交社]

筆者は、テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」の鑑定者。 題名の通り、やきものの入門書です。 一章 国宝物語 二章 伊万里の風景 三章 やきもの百科 四章 形と意匠 という四章だて 「やきもの」をいくつかの角度から語っていて 日本の陶磁器を概括できると思…

「美人は‘しぐさ’で作られる」 伊東明    [ヴィレッジブックス]

種類でいうと自己啓発本になるのかな。 魅力的な女性に見せるための「しぐさ」のレクチャーです。 筆者は心理学者だそうです。 ばかばかしい、と思われるかもしれませんが 女性雑誌の「モテ服」「モテ髪」記事よりは 実効性があるように思います。 世の中の…

「鎌倉の寺社 122を歩く」     槇野修   [PHP新書]

歴史的な説明の詳しいガイドブックといった本。 地図やアクセスなどの実用情報も最低限載っているから 慣れている人ならこれ一冊で観光できると思います。 熊野・伊勢ツアー以来、寺社めぐりにはまっています。 しかし、遠方に行った時は細かく回っているわ…

「やきもの鑑賞入門」  出川直樹  [新潮社 とんぼの本]

やきもの=陶磁器の鑑賞の手引き書 この手の本は、いろんな出版社から数々発行されていますが 内容はそれぞれで、有用に感じるものとそうでないものと様々。 出版社によっての傾向というのもあります。 山川出版社のは、やっぱり社会科的で学術的で 読んでい…

「色の知識 名画の色・歴史の色・国の色」 城一夫  [青幻舎]

タイトルや装丁は、地味でそっけないのですが なかなか深い本です。 オールカラーで全ページ、きれいな色や写真が並んでいるので 絵本のようにめくって楽しむことができます。 写真にはすべて説明文が付いています。 単に色を楽しむだけでなく 西洋(世界)…

「表具」  NHK美の壺シリーズ    [NHK出版]

NHKのテレビ番組を書籍化したこのシリーズ 初心者の入門書として、ホントいいです。 「表具」というのは 掛け軸の地(飾り)の部分のこと。 飾りといっても作品よりも面積が広くて 全体の印象を大きく左右します。 私は日本芸術が好きなので 掛け軸形式の作…

「 ‘返事美人’の日本語レッスン」  今井登茂子  [河出書房新社]

「好かれる女性の返事はここが違う」という副題 社会人の女性の、実生活での会話に役立ちます。 タイトル通り、生活上の諸場面での「返事」を学べます。 すべての事例がケーススタディ形式で 具体的な場面、会話が示されていて とても実践的です。 言葉の使…

「花と器」  花:川瀬敏郎   文:白洲正子   撮影:小林庸浩

川瀬氏は、白洲氏が高く評価する華道家 日本の各時代をイメージした生け花の写真集という面白い企画です。 白洲氏の文章が入ることで、よりそれぞれの雰囲気がつかみやすくなっています。 古代、平安、鎌倉、南北朝、室町、桃山、江戸 という時代区分です。…

「白洲正子 私の骨董」     写真:藤森武  [求龍堂]

白洲正子氏の骨董コレクションの写真集 当時所有されていたものにくわえて、 すでに手放していたものも含むそうです。 写真を眺めるだけでも楽しめますが まえがきとあとがきの文章を読むと さらに深く味わえます。

お取り置き雑誌

とりあえず買ったけど、まだ読んでいない雑誌が今二冊。 上品な老婦人テキスト系です。 年末は忙しいので、お正月にのんびり読もうかな。 暮らしの手帖別冊「暮らしのヒント集」 読むと背筋が伸びる気持ちになるこの雑誌。 広告は一切掲載していない=経営は…

「私の百人一首」    白洲正子   [新潮文庫]

鎌倉時代初期、藤原定家が選んだ和歌集 小倉百人一首 子どものころからカルタでおなじみの和歌集でしたが、 この本を読んで新たな視点で楽しむことができました。 百首を一つずつ紹介しているのですが 白洲氏の個人的好みの話というコンセプトで いわゆる学…

「大人なら知っておくべきお作法の教科書」   枻(えい)出版社

マナーのマニュアル本はたくさんありますが この本はひと味ちがいます。 社会人になりたての若い人向きではなく、 ある程度経験を積んで より高度で実践的なマナーを知りたい人向き。 こういう本は意外と見つからないです。 飲食、旅館ホテル、冠婚葬祭、ビ…

「茶の湯のことば」   監修:筒井紘一   文:鈴木皓詞

茶道の本としては異色な構成 用語を一つずつ取り上げて、 写真と解説文を載せています。 茶道を体系的に説明するというより フィーリングでつかんでもらおうというねらいでしょうか。 日本の伝統文化たる茶道の解説本としては異色だなあと感じました。 筆者…

雑誌「暮しの手帖」      [暮しの手帖社]

硬派の家庭雑誌「暮しの手帖」です。 以前から好きだったのに 自分で買って読んだのはこれが初めてです。 表紙裏の挨拶文 「台所のアイデアと工夫」の記事 一冊をきちんと読むのは初めてですが なんか背筋が伸びる感じがします。 古き良き日本の家庭の匂い…

「教科書でおぼえた名詩」   文藝春秋編  [文春文庫PLUS]

昭和二十年代から平成八年までの中学・高校の国語の教科書に掲載された 詩、漢詩、短歌、俳句から選ばれたアンソロジー 詩なんか興味ない、という方が一般的だと思いますが 誰でも一度は目にしたことがあるのが教科書に載っていた詩。 手に取れば学生時代の…

「with FLOWERS」   高橋郁代  [集英社]

室内の飾るお花の写真集 著者は、青山で花屋を経営、 集英社の女性誌「LEE」のWebサイトのトップページのお花を担当。 お花の写真集も最近たくさん手に取っていますが 特に気に入ったのがこの本。 ・花が自然に咲いている形を活かして飾る ・季節感を大…

「本のお茶」  川口葉子  [角川書店]

副題は「カフェスタイル・岡倉天心『茶の本』」 まえがきから引用します。 この『本のお茶』は、岡倉天心の名著『茶の本』の内容を抜粋して意訳したものです。従来、教養書、茶道書と して扱われがちな『茶の本』を、現代の日本人がなるべく手に取りやすい…

「器つれづれ」  白洲正子・藤森武(撮影)  [世界文化社]

白洲正子氏が普段お使いだった器を一冊にまとめた随筆写真集 写真と文章が入り交じった、大人の絵本といった感じの本 写真をぱらぱらめくっているだけでも楽しいし 随筆を読みながら写真を見ると、より感興が深まります。 工芸品の写真集的な本も時々見ます…

「1950-2011 STYLE BOOK 永遠のファッションアイテム」 新人物往来社

過去60年のファッションリーダーの写真を、アイテム別・年代別に並べた写真集 ファッション研究に、こんな本ないかな? と本屋で探したら手に入れられたので、うれしいです 何でも新しいことを覚えようと思ったら、 超一流の実物を見てまねるのが一番早い…

「私の好きな書」  大東文化大学書道研究所  [二玄社]

この本が最初に発行されたのは昭和40年代 書道教育に力を入れている大東文化大学の書道文化センターが 発行している書道誌「大東書道」の 連載記事「私の好きな古碑・名跡」をまとめたものです。 数年前、新タイトル・新装丁で再刊されました。 昭和の名…

「平安かなの美」  村上翠亭・高城弘一 [二玄社]

http://www.nigensha.co.jp/shodo/bkimg/001837_l.jpg 二玄社ホームページの解説より あらゆる角度から平安古筆が学べる理想のハンドブック。学書に最適な名品を精選、書風ごとに系統立てて分類整理し、図版はできる限り原寸で掲載(カラー多数)。行き届い…

「大人のおしゃれ再入門」   福田栄華   [アスペクト]

有名雑誌で仕事をしているスタイリストさんが書いた 大人向けのファッション指南本 30代~40代向けといった感じです。 この位の年代になると、ファッションをどうしたらよいかわからなくなります。 20代と同じ物は着られない。でもおばちゃんくさくな…

「和歌とは何か」 渡部泰明  [岩波新書]

大学の一般教養の講義録といった感じの一冊 「和歌」をさまざまな角度から、学問的に解き明かしている内容です。 文学というより社会学的なアプローチと呼べるでしょうか。 技法の解説に、 記号(A B A' B' )や 数学みたいな図を使ったりしていて 大学入試…

「日本の詩歌 その骨組みと素肌」   大岡信 [岩波現代文庫]

詩人の大岡信氏の コレージュ・ド・フランスでの全5回の講義録 日本の古典詩歌を概括して論じた講義 一 菅原道真 詩人にして政治家 二 紀貫之と「勅撰和歌集」の本質 三 奈良・平安時代の一流女性歌人たち 四 叙景の歌 五 日本の中世歌謡 フランスでの講義…