仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

『NANA』 考察

予想外にはまって、図書館と古本屋で全巻そろえて、一気読みしました。
 
キャラ設定やストーリー展開はいかにも少女漫画的なのですが
キャラの人物描写はなかなか深くて考えさせられます。
 
 
主人公 奈々(ハチ子)が、ある意味女子の典型であるのを筆頭に
サブキャラもそれぞれ個性が確立しています。
 
主人公2 ナナが自分の夢(仕事)と恋愛の狭間で苦しむのは
現代女性の悩みといえるでしょうし。
加えて、不遇な生育歴のトラウマがあるのがより現代的?
 
 
 
 
奈々とノブとタクミの三角関係も、よく読むと納得~、です。
少女漫画的見方だと、タクミってひどい優しいノブの方がいいよ、って所でしょうけど
私でもタクミに行くなあ。
だってノブってヘタレなんだもん。
 
奈々の妊娠が発覚した時の両者の対応が、実に対照的。
動揺して、奈々を責めたノブに対して
具合の悪い奈々を介抱して「父親が誰でも、母親はおまえなんだからしっかりしろよ」と
さとしたタクミにぐっときましたねえ
 
まあ妊娠した責任はタクミにあって、ノブはそうならないように気をつけてたんだから
総合的に見ればノブの方が誠実なんだけど。
 
その後も、浮気者で奈々に対しては勝手なタクミですが
奈々の家族に対しては、けじめをつけて誠実な対応をします。
それならいいじゃん、と私は思ってしまいますね~。
男は平時は役立たずでも、有事にしっかり対応できればよいという考えなので。
 
タクミはろくでなしだけど、奈々もだらしがないので、つりあいとれていいんじゃないでしょうか。
 
 
 
 
目立たないキャラだけど、気になるのがナオキ。
タクミのバンド トラップネストのドラマーで、
役立たず扱いをされ影が薄いけど、脳天気な和ませキャラ。
こういう存在って組織(グループ)には必要だと思うのですが。
 
 
 
 
感情の持ち方として興味深いのは
ナナのバンド ブラックストーンズのドラマー ヤスの愛人?詩音。
古くからのヤスのファンで、深いつきあいもあるのに恋人にはあえてならないという。
 
彼女いわく、
「人(特にヤスのような博愛主義者)を独占はできない。彼女になって関係を壊すよりは
拘束しない関係がいい」
一理ある気はするけど・・・・。
 
 
 
ヤスとナナとレンもある意味、三角関係。
こっちは物語の中で
整理されていきますが。
 
 
 
 
 
もっとも不可解な愛情関係は
タクミと、バンドのボーカル レイラ。
 
幼なじみの二人で、レイラは子供のころからタクミが好き。
でもタクミはレイラに恋愛感情は持てないという。
それは「レイラは自分の聖域だから汚せない」という理由。
つまり、世界で一番大切な存在だということですよね。
 
自分の夫がこうだったら、浮気しまくられるよりよほど腹立つでしょうね~。