仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「着物あとさき」   青木玉  [新潮社]

筆者は、作家幸田文氏の娘で、明治の作家幸田露伴の孫
 

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母 幸田文氏の亡き後
残された着物たちとどのようにつきあっていったかが
記されています。
 
大きな存在であったご母堂、
その分身のように感じられる着物たちを
身につけようと思えるようになったのは
没後十年を過ぎてからだそうです。
 
傷んでいたり、自分には合わなかったりと
そのまま身につけられるものは少なく
染め直したり仕立て直したりと手をかけています。
簡単に修理できないものも
職人さんの苦心の末、見事再生したりしています。
 
幸田文氏の着物への思い、青木玉氏の母への思い
着物に携わる方たちの誇りなど
さまざまな心が伝わってきます。
 
 
着物というものは
単なる衣類ではなく
精神や文化というものを体現することが出来るものなのだと
考えさせられました。
 
 
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