仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

本/ノン・フィクション

「オスマン帝国」  鈴木董  (講談社現代新書)

副題は‘イスラム世界の「やわらかい専制」‘ オスマントルコ帝国を支えた政治体制・組織の仕組みを わかりやすく説いています。 最初に序章があります。 「なぜ、この本を書いたのか」という所信表明のような内容です。 筆者の思いが込められているなと思いま…

「日本人と日本文化」  対談:ドナルドキーン・司馬遼太郎(中公文庫)

対談は50年くらい前に行われたものです。 文庫になっていて手軽に読めます。 外国に日本文学を広めた功績の大きいキーン氏と 「司馬史観」という言葉を生んだ日本歴史小説の第一人者の司馬氏 のお二人による贅沢な対談です。 「日本人と日本文化に関心のある…

「禅僧が教える 心がラクになる生き方」  南直哉  (アスコム)

「心を楽にしたい」とおもっておられる方にお勧めします。 今の人生ハッピーだ、という方には必要ないかな。 著者は、社会人経験の後 曹洞宗総本山 永平寺で20年修行した後 青森 恐山の住職代理を務めるという人物 宗教者の書かれた人生指南本的な著作はい…

「羽生善治 闘う頭脳」           (文春文庫)

将棋の羽生善治7~1冠 についての文章を集めた一冊 対談、インタビュー、ルポルタージュなど、さまざまな立場の人から見た 羽生善治像が読み取れます。 藤井四段の活躍により将棋への興味が高まっています。 羽生フィーバー以来の将棋熱です。 藤井君につ…

「キレイはマネから おしゃれは勇気」     浜田マキ子 [DHC]

女性向けの啓蒙書 「美女をめざそう」といった内容 といっても美容マニュアル本というより 思想的な内容が多いです。 若い女性から年配の方まで 役立つ内容です。 全体的には良い本なのですが、 DHCの宣伝がなければいうことなし。 出版元がDHCなだけに サプ…

「日本人のための世界の宗教入門」    齋藤孝   [ビジネス社]

日本の社会人の教養書として必須だと思います。 日本の宗教事情というのは世界的に見て特殊なので、 そこんとこを自覚すべきだと思います。 国際化を目指すなら、英語を身につけるより こちらを優先すべき。 国際紛争の種になりますから。 テロ問題の解決の…

「渡辺一夫」   [ちくま日本文学全集]

フランス文学者。 キリスト教史についての論文が大半でした。 私はキリスト教が肌に合わないので 興味が持てませんでした。 文章がわかりにくいとか 偏向的な思想だとか そんなことは全然ないのですが。 日本人の価値観の底流には神道があると思います。 明…

「花田清輝」     [ちくま日本文学全集]

ジャンルとしては評論になるようです。 「悪文の見本」 と言いたい。 または、中二病か? やたら小難しい言葉を長々と連ね、 もっともらしいことを言っているようだけど 何を言いたいんだか、さっぱり伝わってこない。 論理的文章の場合は、読者に論旨が伝わ…

「中野好夫」      [ちくま日本文学全集文庫]

名前を知らなかったです。 多分一般的にもあまり知られていないでしょう。 ジャンルとしては評論家になるのかな。 読んでいて、 ・・・・・困りました。 欠点をあげつらいたくなって。 ケンカ売りたくなってくるんです。 だって、つまらない。 見るべき点が…

「壇蜜日記2」   壇蜜 [文春文庫]

読みながら、ふと思ったこと 「・・・お友達になりたい。」 壇蜜さんと、です。 文章を読んでいると テレビでは表にでない内面が 伝わってくるような気がします。 奥行きのある人物だと思うんですよね。 つきあっておもしろい方だと。 ファンレターでも書い…

「知識人99人の死に方」  荒俣宏:編   角川文庫

題名の通り、99人の方の死去に至るまでのエピソード集です。 今年のお正月、両親と「お葬式はこういう風にしてほしい」という会話をしてから その方面のことを考えることが増えていた所から 手に取りました。 文学系では 三島由紀夫、谷崎潤一郎、松本清張…

「壇蜜日記」   壇蜜    [文春文庫]

題名そのまま、壇蜜さんの日記です。 2013年10月から1014年8月まで。 どういう企画かと気になりましたが 文庫かきおろしです。 文藝春秋社、やるなあ。 どの層を狙ってるんでしょうか。 売り上げ部数が知りたい。 内容は真面目です。 というか、…

「自分を生きてみる ~一期一会の心得~」  千宗室 [中央公論新社]

裏千家家元 千宗室氏の語る人生論 講演会を記録した章もあり、優しい語り口で理解しやすい内容です。 茶道の知識がなくても大丈夫です。 茶道論ではなく、茶道を通して 人の在り方、生き方を語っている内容です。 私は茶道に興味があり 関連の本も時々読んで…

「夕顔」  白洲正子     [新潮文庫]

白洲正子氏の随筆集 晩年に書かれたものが集まっています。 掲載された雑誌はバラバラなので 内容もさまざまです。 印象に残った話について。 [ツキヨミの思想] 河合隼雄氏がテレビ番組で語った「現代人と日本神話」を話題として取り上げています。 「中空…

壇蜜×林真理子 対談   at 婦人公論

今、発売中の雑誌「婦人公論」に 壇蜜さんと林真理子さんの対談が掲載されています。 私的に興味深い組み合わせです。 広告で見つけて是非読んでみたいと思いました。 期待通り、おもしろい内容でした。 壇蜜さん、かなり素で話しているような。 男性向けの…

「幸田文 台所帖」  幸田文   [平凡社]

幸田文氏のエッセイ集シリーズ 「台所」がテーマ 池波正太郎氏の食べ物エッセイがお好きな女性にお勧めしたいです。 同じ世代で東京出身、通じるものがあるような気がします。 池波氏は作らせて食べる立場、幸田氏は作って食べてもらう立場というのが 違いま…

「野心のすすめ」  林真理子    [講談社現代新書]

作家 林真理子氏が書いた現代人に贈るメッセージ。 タイトルの通り、「野心をもつ」ことを(特に若者に)勧めています。 エッセイにあるような韜晦なしに、本音で語っています。 ‘硬派’林真理子の姿が見られます。 私のように、自分の好みとは違う路線の作家…

「幸田文 きもの帖」 幸田文    [平凡社]

幸田文氏の随筆集 「きもの」をテーマにした文章をまとめてあります。 シリーズとして「しつけ帖」「台所帖」があります。 私の趣味の中でも 「着物」「茶道」「能楽」は 手間暇かかる割に、なくても生活に支障はありません。 しかもちゃんと身につけようと…

「着物あとさき」   青木玉  [新潮社]

筆者は、作家幸田文氏の娘で、明治の作家幸田露伴の孫 母 幸田文氏の亡き後 残された着物たちとどのようにつきあっていったかが 記されています。 大きな存在であったご母堂、 その分身のように感じられる着物たちを 身につけようと思えるようになったのは …

「できることから」     小堀貴美子   [講談社]

副題は「遠州茶道宗家、ゆっくり奥様修行」 著者は、遠州茶道 宗家 十三世家元 夫人 遠州茶道は、江戸時代の大名茶人 小堀遠州を祖とする流派です。 小堀に嫁ぐことになったいきさつから始まり 十八年の結婚生活の中での家元夫人修行についてつづられていま…

「あなたにありがとう。」  松浦弥太郎  [PHP文庫]

副題は「暮らしのなかの工夫と発見ノート」 人付き合いの知恵を説く、といったような内容です。 著者は、雑誌「暮しの手帖」の編集長 「暮しの手帖」は主婦向けの家庭的な雑誌です。 素朴で元祖癒し系という雰囲気で和みます。 非常に良心的な記事内容で、 …

「エロスのお作法」    壇蜜   [大和書房]

時の人、壇蜜さんが書いた女性向けのエッセイ(ハウツー本)です。 いかにして男性を惹きつけるか、という実践がさまざま述べられています。 なかなか役に立つ内容だと思います。 ご本人が実践している方法をそのまま提示するのではなく エッセンスを取り出…

新版 県史シリーズ 静岡県の歴史 [山川出版社]

さすが歴史の山川!という良品シリーズです。 全都道府県分47巻です。 私は静岡県を読みました。 遺跡の時代から始まり、近現代(戦後くらい)までが 時系列で語られています。 県の詳細な史実を通して 日本史全体を概括することもでき 読み応えのある一冊…

「能・文楽・歌舞伎」   ドナルド・キーン  [講談社学術文庫]

日本文化研究家ドナルド・キーン氏が、日本の伝統的な演劇について 書いた文章をまとめた一冊 東日本大震災後の日本国籍取得以来、 キーン氏は尊敬する人物の一人になりました。 著作をいろいろ読んでみるつもりです。 自国の文化を知るためには、 外国の方…

「バカの壁」 養老猛司   [新潮新書]

しばらく前にベストセラーになったノンフィクション 表紙の紹介文より イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人はなぜ互いに話が通じないのか。そこに「バカの壁」 が立ちはだかっているからである。いつの間にか私たちは様々な「壁」に囲…

「ファッション-蝶は国境をこえる-」  森英恵  [岩波新書]

ファッションデザイナーの森英恵(モリハナエ)さんが書いた半生記 日本のデザイナーの先駆けでいらっしゃるのは知っていましたが 東洋人初のパリ・オートクチュール組合加入デザイナーだったなど 文字通り、第一人者だったんですね。 今ではパリやミラノの…

「女は見た目が10割」  鈴木由加里   [平凡社新書]

副題は「だれのために化粧をするのか」 タイトルを見て「むかっ」 っとくる方もいると思いますが これは逆説的につけられたもので 論旨とは異なります。 むかっとくる方にこそ、お勧めしたいです。 筆者は、現代文化論が専門の大学講師の女性。 文章は、学究…

「ラブ・スマート」   フィル・マグロー  [三笠書房]

副題は、 100万人の女性を幸せな結婚に導いた「こころの引き寄せ」ルール アメリカの有名心理学者の全米ベストセラー本だそうです。 一昔前にベストセラーになった「地図の読めない女 話の聞けない男」系の内容。 心理学はアメリカが最先端なので、本もア…

「下流志向」 内田樹   [講談社文庫]

副題は、「学ばない子どもたち 働かない若者たち」 数年前に話題になった本です。 裏表紙の紹介文より なぜ日本の子どもたちは勉強を、若者は仕事をしなくなったのか。だれもが目を背けたいこの事実を、 真っ向から受け止めて、鮮やかに解き明かす怪書。「自…

「生きる悪知恵」  西原理恵子   [文春新書]

漫画家 西原理恵子さんのお悩み相談室。 副題は「正しくないけど役に立つ60のヒント」 副題の通り、清く正しくないけど現実的な回答を下さってます 「はじめに」より 生きるって、みっともないことだし、みっともなくていい。あの手この手で、どうにかして…