仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

十二月の歌  ‘古今和歌集より’

あはぬ夜のふる白雪とつもりなば 我さへともにけぬべきものを
 
数ふれば とまらぬものをとしといひて 今年はいたく老いぞしにける
 
君をのみ思ひこしぢの白山は いつかは雪のきゆるときある       宗岳大頼
 
白雪のともに我が身はふりぬれど 心は消えぬものにぞありける
 
山ざとは冬ぞさびしさまさりける 人めも草もかれぬと思へば    源宗干朝臣
 
ゆふされば 衣手さむし みよしのの吉野の山にみ雪ふるらし
 
わがまたぬ年はきぬれど 冬草のかれにし人はおとづれもせず      みつね
 
あらたまの年の終わりになるごとに 雪もわが身もふりまさりつつ
 
雪ふりて年のくれぬる時にこぞ つひにもみぢぬ松も見えけれ
 
昨日といひけふとくらして あすか川 流れて速き月日なりけり       はるみちのつらき
 
ゆく年の惜しくもあるかな まず鏡みる影さへにくれぬと思へば      紀つらゆき
 
きみがゆく越の白山 知らねども ゆきのまにまにあとは尋ねん      藤原かねすけの朝臣