仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

#短歌

‘日本人もあこがれた隋・唐時代の書’展     書道博物館(鶯谷)

小さい館ですが、ここしかないという希少価値があります。 隋・唐時代はメジャーな書家の時代で、わかりやすい作品が多かったです。 書はもともと苦手な分野で、最初は訳もかわらず見ていましたが 何年も見続けているとなんとなく分かってきました。 それぞ…

『乙嫁語り』 8巻出ました。

雑誌の連載が一巻分たまるとすぐ、コミックス発売するみたいですね。 人気だなあ。 5人目の乙嫁 パリヤ 今までの表紙とは違う アタフタぶりがかわいい キャラの中で一番好きかも。 あの不器用ぶりが かわいくって。 前回の敵の襲撃によりパリヤさんちが破壊…

十二月の歌  ‘万葉集より’

来むと言ふも 来ぬ時あるを 来じと言ふを 来むとは待たじ 来じと言ふものを 大伴坂上郎女 石見のや 高角山の 木の間より 我れ降る袖を 妹見つらむか 柿本人麻呂 小竹の葉は み山もさやにさやげども 我れは妹思ふ 別れ来むれば 柿本人麻呂 大和道は 雲隠りた…

十一月の歌     ‘万葉集より’

岩代の 浜松が枝を引き結び ま幸くあらば また帰り見む 有間皇子 家にあれば けに盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る 有間皇子 山吹の 立ちそよひたる 山清水 汲みに行かめど 道の知らなく 高市皇子 我が背子を 大和へ遣ると さ夜更けて 暁露に 我が立…

十月の歌   ‘万葉集より’

秋の野の み草刈り葺き宿れりし 宇治の宮処の 仮蘆し思ほゆ 額田王 三輪山を しかも隠すか 雲だにも心あらなも 隠さふべしや 額田王 君待つと 我が恋ひ居れば 我がやどの 簾動かし秋の風吹く 額田王 風をだに 恋ふるは羨し 風をだに 来むとし待たば 何か嘆か…

九月の歌   ‘万葉集より’

朝に行く 雁の鳴く音(ね)は 我がごとく 物思へかも 声の悲しき おし照る 難波堀江の 葦辺には 雁寝たるかも 霜の降らくに 今朝の朝明(あさけ) 雁が音(ね)聞きつ 春日山 もみちにけらし 我が心痛し 穂積皇子 秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り か…

八月の歌 ‘万葉集より’

夏の野の 繁みに咲けり 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものぞ 大伴坂上郎女 八百日(やほか)行く 浜の真砂(まなご)も 我が恋にあにまさらじか 沖つ島守 笠郎女 夏野行く 牡鹿の角の 束の間も 妹が心を 忘れて思へや 柿本人麻呂 朝寝髪 われはけづらじ 愛(…

「正岡子規」     ちくま日本文学全集文庫

明治の俳句・短歌の革新運動の第一人者 司馬遼太郎の「坂の上の雲」のドラマのイメージが強いでしょうか。 この人の散文を読んだのは初めてでしたが なかなか興味深かったです。 10年以上も苦しい闘病生活を続けて、 35歳で早世したということを 頭にい…

七月の歌  ‘万葉集より’

春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣乾したり 天の香具山 持統天皇 かはづ鳴く 神なび川に 影見えて 今か咲くらむ 山吹の花 厚見王 み吉野の 象山の際の こぬれには ここだも騒ぐ 鳥の声かも 山部赤人 ぬばだまの 夜の更けゆけば 久木生ふる 清き川原に 千鳥し…

六月の歌    ‘万葉集より’

見れど飽かぬ 吉野の川の 常滑の 絶ゆることなく またかへり見む 柿本人麻呂 ぬばだまの 黒髪山の 山菅に 小雨降りしき しくしく思ほゆ 我がやどの 夕蔭草の 白露の 消ぬがにもとな 思ほゆるかも 笠女郎 玉敷ける 清き渚を 潮満てば 飽かず我れ行く 帰るさに…

五月の歌  ‘万葉集より’

かはづ鳴く 神なび川に 影見えて 今か咲くらむ 山吹の花 厚見王 み吉野の 象山の際の 木末には ここだも騒ぐ 鳥の声かも 山部赤人 さきやま ま こぬれ 青柳の 萌ろろ川門に 汝を待つと 清水は汲まず 立ち処平すも は かわと な せみど どなら 恋しけば 来ま…

四月の歌  ‘万葉集より’

春の苑 紅にほふ桃の花 下照る道に 出で立つをとめ 大伴家持 もののふの 八十娘子らが 汲み乱ふ 寺井の上の 堅香子の花 大伴家持 春の野の 霞たなびきうら悲し この夕かげに 鶯鳴くも 大伴家持 我がやどの いささ群竹吹く風の 音のかそけき この夕かも 大伴…

三月の歌 ‘万葉集より’

石走る 垂水の上の さわらびの 萌えいづる春に なりにけるかも 志貴皇子 うちなびく 春来たるらし 山のまの 遠きこぬれの 咲きゆく見れば 尾張蓮 春の野に すみれ摘みにしと来し 我れぞ野をなつかしむ 一夜寝にける 山部赤人 籠もよ み籠持ち ふぐしもよ み…

二月の歌  ‘万葉集より’

梅の花 咲けるががなかに ふふめるは 恋かこもれる 雪を待つとか 茨田王 梅の花 降り覆ふ雪を 包み持ち 君に見せむと 取れば消につつ 我が園に 梅の花散る ひさかたの 天より雪の流れ来るかも 大伴旅人 梅の花 夢に語らくみやびたる 花と我れもふ 酒に浮かべ…

十二月の歌  ‘小倉百人一首より’

思ひわび さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり 道因法師 ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しとみし世ぞ 今は恋しき 藤原清輔朝臣 おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつそまに 墨染の袖 前大僧正慈円 人も惜し 人も恨めし あぢ…

11月の歌  ‘小倉百人一首より’

奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき 猿丸太夫 かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける 中納言家持 このたびは ぬさもとりあえず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに 菅家 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる …

十月の歌   ‘小倉百人一首より’

秋の田の 仮庵の庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ 天智天皇 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ 文屋康秀 白露に 風のふきしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける 文屋朝康 八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね…

九月の歌   ‘小倉百人一首より’

天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも 安倍仲麿 今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな 素性法師 月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど 大江千里 有明の つれなく見えし 別れより あかつ…

8月の歌   ‘小倉百人一首より’

これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関 蝉丸 筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる 陽成院 たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む 中納言行平 住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人…

7月の歌  ‘小倉百人一首’より

春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山 持統天皇 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ 清原深養父 風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける 従二位家隆 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松…

六月の歌  ‘小倉百人一首より’

花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに 小野小町 わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣舟 蝉丸 筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりで 淵となりぬる 陽成院 住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ…

5月の歌   ‘小倉百人一首より’

春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山 持統天皇 天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ 僧正遍照 夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ 清少納言 ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の …

四月の歌   ‘小倉百人一首より’

ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花散るらむ 紀友則 いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな 伊勢大輔 もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし 前大僧正行尊 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こ…

三月の歌   ‘小倉百人一首より’

君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ 光孝天皇 人はいざ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の香に にほひける 紀貫之 長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は ものをこそ思へ 待賢門院堀河 たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞…

二月の歌   ‘小倉百人一首より’

忘らるる身をば思はず誓ひてし 人の命の惜しくもあるかな 右近 今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならで言ふよしもがな 右京太夫道雅 思ひわびさても命はあるものを 憂きにたへぬは涙なりけり 道因法師 ながらへばまたこのごろやしのばれむ 憂しとみし…

‘和歌を愛でる’展②   根津美術館   (青山)

根津美術館は広い庭園があって、いくつもお茶室があります。 雪がつもっていて、いつもとはまた違う雰囲気がよかったです。 雪が溶けてくるのに合わせて雪かきのデザインを変えているんだろうなあ。 小さい滝。マイナスイオンな気分 水がわき上がる井戸? …

‘和歌を愛でる’展①   根津美術館(青山)

根津美術館で16日まで開催 和歌にまつわる古典作品の展覧会です。 書が中心で、その他、和歌の入った絵画や和歌をモチーフにした工芸品があります。 正門 門を入ってすぐ、灯籠たちがお出迎え 舟形の石の中には先日の雪が残ってます。 これって、わざとこ…

一月の歌    ‘小倉百人一首より’

田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ 山部赤人 朝ぼらけ 有明の月と見るまでに 吉野の里に ふれる白雪 坂上是則 難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき 皇嘉門院別当 玉の緒よ 絶えねば絶えね ながらへ…

「私の百人一首」    白洲正子   [新潮文庫]

鎌倉時代初期、藤原定家が選んだ和歌集 小倉百人一首 子どものころからカルタでおなじみの和歌集でしたが、 この本を読んで新たな視点で楽しむことができました。 百首を一つずつ紹介しているのですが 白洲氏の個人的好みの話というコンセプトで いわゆる学…

十二月の歌  ‘古今和歌集より’

あはぬ夜のふる白雪とつもりなば 我さへともにけぬべきものを 数ふれば とまらぬものをとしといひて 今年はいたく老いぞしにける 君をのみ思ひこしぢの白山は いつかは雪のきゆるときある 宗岳大頼 白雪のともに我が身はふりぬれど 心は消えぬものにぞありけ…