仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

『逃げるは恥だが役に立つ』  海野つなみ  [講談社]

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講談社の女性漫画誌「Kiss」の連載中の契約結婚ドラマ
宝島社の雑誌の「このマンガがすごい」ランキングの2014オンナ編の8位になっています。
 
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 タイトルはハンガリーのことわざからとったようです。
一話ごとのタイトルも、各国のことわざ、名句を使っています。
 
 
 
ストーリー:
 
主人公 森山みくりは心理学の院卒ながら就職がみつからず
勤め始めた派遣職も契約解除。
仕方なく、父の同僚(独身男性)津崎平匡(ひらまさ)宅の家事代行を始める。
 
父の定年退職によって両親が地方に転居を決める。
住む場所を失うことになり困ったみくりは、平匡に契約結婚を持ちかける・・・。
 
 
 
「契約」というだけあって、日常生活のすべてを
ビジネスライクに取り決めるんです。
変な感じですが、結婚生活ってそもそもこういうものかもって気もしてきます。
明文化しないだけで。
みくりは「就職としての結婚」といいますが、
結婚を永久就職という言い方はありますよね、もともと。
 
 
 
 
といっても、感情的な問題が存在しない訳ではなく。
そもそもいくら必要に迫られているといっても、
好意を持てない人と二人きりの同居生活を送ろうと考えません。
 
そして同じ家で生活しているからには
その感情が増幅していく訳です。
 
 
恋愛経験がなく、頭が固い平匡氏は
その感情にもんもんと悩みます。
 「職場に個人的な感情を持ち込むのはどうか」
と言われると
「いや、一般的な職場であっても職場恋愛はよくあることだし」
とか反論したくなるし、そもそも「夫婦」で恋愛禁止って変だし・・、
とか考え出すと
自分の頭がねじくれてきます。
そのねじくれ感がおもしろいです。
 
 
みくりの方はもっとシンプルで
感情を素直に進行させようとします。
 
心理学の素養を活かして
平匡の心理を分析し、アプローチします。
私は心理学に興味があるので
その辺りも興味深い。
 
 
 
その他、みくりが現代の産業構造に疑問を呈したりと現
代社会の問題点いくつかを取り上げている内容で
おもしろいです。
シンプルに恋愛ものとしても楽しめますが。
 
 

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多忙なスケジュール中、仮眠から起こしてもらう平匡
高熱の時看病してもらったことがきっかけで(契約)結婚を決めるとか
現象としてはベタな流れなんですけど、
平匡自身がそれを恋愛感情と認めないのでややこしい。
 
 
 
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契約結婚の夫に「恋人になってくれ」ともちかけるみくり。
(これも戦略がある訳ですが)
ますます、ねじれ現象が進行しています。
 
 
 
 
 
結婚について割り切れていない、シングルの女性にお勧めしたい作品です。