仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

椎名誠氏への反論

著名な文筆家、冒険家の椎名誠氏。
 
小説「岳物語」はおもしろいと思ったのですが
椎名氏の価値観に首をひねる所があり
それ以上作品を読んでみようという気になりませんでした。
 
何がひっかかるんだろうと、自分でもはっきりしませんでしたが
最近「アイスプラネット」という小説を読んで
解明できました。
 
 
 中学生の「僕」の家に居候しているおじさん「ぐうちゃん」。
38歳になっても定職につかず
世界を放浪することを趣味としている。
 ぐうちゃんは「僕」に、世界を旅して見聞を広めることのすばらしさを
説きます。
 
 
 
 
結論を一言でいうと
「‘自分探し’をしていていいのは、せいぜい20代まで!!!」
      (類例:尾崎豊に共感していいのは20代まで)
 
定職をもって働くというのは
自分自身の生活の安定のためとは別に
一人の構成員として社会全体のために役割を果たすという
意味があると思います。
 
結婚して子どもをもつかどうかは個人の自由ではあるけれど
だれも子孫を残さなければ生物はほろぶし
自分の子どもかどうかはともかく、後進を育てることは社会人としての
役割の一つでしょう。
 
 
若い頃は外から刺激を受けて自分を育てていくべきですが
38歳にもなって、社会や他者のために自分を活かそうという
暮らし方ができないのは恥ずかしいと思います。
一生モラトリアム状態ですか?
 
親も年老いていく一方の年代なのに
そういう現実は視界に入らないんでしょうか。
 
 
まあ、価値観も生き方も人ぞれぞれではあるんですが、
椎名氏の思想に
「ごく普通のカタギの勤め人は、自由がなくてつまらない人生だ」みたいな
匂いを感じてむかつくんです。
 
社会を回しているのはごく普通の勤め人たちであって
「冒険家」がいなくったって、社会は不都合なく動いていくんじゃい。
 
 
 
 
それから
冒険=刺激を探す=外国、
的な考え方もどうかと思う。
 
日本国内にだって発見や不思議はいくらでもあります。
見る眼さえあれば。
環境をすべて変えなければ刺激を感じられないというのは
感受性の問題じゃないでしょうか。
 
もしくは
日本<外国、的な島国根性的劣等感の裏返しとか。
 
 
 
 
いや~、問題点がはっきりして
すっきりしました。