仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

六月の歌  ‘小倉百人一首より’

花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに   小野小町
 
わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣舟   蝉丸
 
筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりで 淵となりぬる      陽成院
 
住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人めよくらむ    藤原敏行朝臣
 
みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ    中納言兼輔
 
恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ   相模
 
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ    崇徳院
 
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色はかはらず   殷富門院大輔
 
我が袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし  二条院讃岐