‘暗闇で聴く古典芸能’ 横浜能楽堂
6月21日(土)に開催されました。
「暗闇で聴く」=会場の照明を消した中で舞台を行うという企画。
プログラムは
○素謡「西行桜 さいぎょうざくら」
素謡とは能楽の音声面だけ、と考えればいいみたい。
○一管「津島 つしま」
能楽の笛の演奏
○語り組踊「手水の縁 てぃみじぬゐん」
沖縄の伝統的な舞踊のようです。
といってもストーリーがありセリフ?もあるので、ミュージカルみたいなものと
考えればいいのかなあ?
舞台は通常、見て聴くものです。
それをあえて「聴く」鑑賞だけに絞ったのは二つのねらいがあるそうです。
パンフレットの挨拶文より
①普段情報を得るために一割程度しか使っていないという聴覚をフル活用し、「聴く」楽しみをより一層強く堪能 していただく。
私は特に目的①がいいと思いました。
とかく「便利」「楽」「てっとりばやい」という価値観に流されがちである昨今、
昔ながらのアナログな形に立ち返るような斬新な企画だと思います。
文化芸術に携わる方々のポリシーを感じます。
最近の古典芸能上演にありがちな「プレトーク」
鑑賞の興をそぐので私はきらいです。
今回もあってげっそりしていました。
居眠りタイムにするつもりでしたが
始まってみたら意外と有意義でした。
(やっぱり居眠りはしたけど)
理由は司会者がいたこと。
プロでいらっしゃるようで、
役者さんたちからうまく話をひきだして円滑に進めてくれました。
古典芸能の威厳ある役者さんが営業トーク的なしゃべりをさせられているのを
目の当たりにするのがどうにも苦痛なので、
どこでもぜひトーク専門の人を使うようにしてほしいです。
プレトークが終わり休憩をはさんで
いよいよ暗闇の舞台が始まります。
真っ暗な中、ずっと寝っぱなしになったらどうしよう
と心配していましたが
一瞬も寝ませんでした。
ぼーっとして他の考え事をしてしまったりはしましたが
寝ることはなかったです。
不思議だなあ。
明るい中のプレトークは寝たし
普通のお能を見に行っても
大抵居眠りはするのですが。
文楽と沖縄舞踊はほとんど知識はなく
ちんぷんかんぷんなのですが
「退屈」はしなかったですね。
ストーリーとかさっぱりなんですけど。
この公演から「何を得たか」と問われると
答えに困りますが
「満足した」とだけは言えます。