仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

8月の歌   ‘小倉百人一首より’

これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関        蝉丸
 
筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる       陽成院
 
たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む      中納言行平
 
住の江の 岸による波 よるさへや  夢の通ひ路 人めよくらむ    藤原敏行朝臣
 
有明の つれなく見えし 別れより あかつきばかり 憂きものはなし    壬生忠岑
 
誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに        藤原興風
 
浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき       参議 等
 
契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは      清原元輔 
 
由良のとを 渡る舟人 かぢをたえ 行くへも知らぬ 恋の道かな    曾禰好忠
 
かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを     藤原実方朝臣
 
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ   権中納言定家