仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

『乙嫁語り』7巻がすごい!!!

森薫氏の中央アジアお嫁さんシリーズ7巻出ました。
4人目の乙嫁アニス登場の新シリーズです。

森氏がオタクキングなのは知っていましたが、
「この方向があったか」と
目を開かされる異色作です(笑)

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まず表紙の絵柄が違う所から驚きました。
書店で手に取った時、間違えたかと見直しました。
薄い本系の絵柄?




舞台はペルシャに移っています。
イギリス人スミス氏の移動に伴って。
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4人目の乙嫁アニス

イスラム圏に入ったようで
女性は男性の前には出ません。
男性は4人まで妻が持てます

といってもアニスの夫はアニス一人を愛し大事にしています。
裕福で息子も生まれ、何不自由ない暮らしなのに
アニスは胸に屈託を抱えています。

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そんなアニスに提案されたのは「姉妹妻」
夫と子を持つ妻同士が一生の親友との契りを結ぶという風習。

乗り気になったアニスが相手を求めてどこへ行くかというと
風呂屋
女性が外に出るときはベールで顔を隠す土地柄ですから
風呂屋の女性側は社交場のしての重要な役割を持つようです。

ということでこの物語はお風呂やさんのシーンが多いんです。
つまり、みんな裸。

ここんところに、作者森氏のオタク魂が炸裂しています。
たくさんの女性が描かれていますが
顔はもちろんのこと、体型もしっかり描き分けられているんですよ~。

ふつー女性は同性の体に細かく注目しないし、
男性は逆に自分の好みにとらわれて、ここまでリアルに描写できないんじゃないでしょうか。
やっぱりすごいです、森氏の視点は。





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アニスはお風呂やで運命の人シーリーンに出会い
姉妹妻の契りを交わします。
ちゃんと人前で式を挙げるんですよ。

また、アニスとシーリーンが対照的なキャラで。
アニスは顔も体もさっぱり系。
シーリーンはむっちり濃い系。
ここも作者が楽しんで描きわけたところでしょうねえ。
「ここが大事なんです!」(笑)


式の後の展開がまたすごくって。
シーリーンの夫が急死します。
貧乏な家で義父母と幼い息子を抱え途方に暮れるシーリーンに
何がしてやれると悩むアニス。

結論:自分の夫にシーリーンを二人目の妻として迎えてくれと頼みます。
いや、アニスと夫は愛しあっているんですよ~。



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物語は
無事、二人目の妻として迎えられたシーリーンが
アニスと仲むつまじく語り合っているシーンで終わります。

なんていうんでしょう、こういうの。
百合もの?
夫と子供のいる妻同士の百合?
しかも同じ夫をもつという。

すごいです、
森ワールド。





ちなみにコミックスの巻末に
袋閉じのページが付いてます。

買う前に中身をしってたら   
レジに持って行くのをためらっていたことだろうなあ