仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

三月の歌 ‘万葉集より’

石走る 垂水の上の さわらびの 萌えいづる春に なりにけるかも       志貴皇子

うちなびく 春来たるらし 山のまの 遠きこぬれの 咲きゆく見れば      尾張

春の野に すみれ摘みにしと来し 我れぞ野をなつかしむ 一夜寝にける     山部赤人


籠もよ み籠持ち ふぐしもよ み堀串持ち この岡に 菜摘ます児 家のらせ 名告らさね そらみつ 大和の国は おしなべて 我れこそ居れ しきなべて 我れこそ居れ 我れこそは のらめ 家をも名をも        雄略天皇


春日野に 煙立つみゆ おとめらし 春野のうはぎ 摘みて煮らしも    

振り分けの 髪を短み 青草を 髪にたくらむ 妹をしぞ思ふ  

浅緑 染め懸けたりと 見るまでに 春の楊は 萌えにけるかも

春霞 流るるなへに 青柳の 枝くひ持ちて 鶯鳴くも