仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

六月の句    ‘与謝蕪村の俳句より’

さみだれや 名もなき川の おそろしき

花いばら 故郷の路に 似たるかな

ででむしの 住はてし宿や うつせ貝

ほととぎす 待ちや都の そらだのめ

更衣 母なん藤原 氏也けり

白がねの 花さく井出の 垣根哉

おちこちに 瀧の音聞く 若葉かな

こもり居て 雨うたがふや 蝸牛

谷路行く 人は小さき 若葉哉

浅河の 西し東シす 若葉哉

百里 雨雲よせぬ ぼたむ哉

しののめや 露の近江の 麻畠

青梅や 微雨の中行く 飯煙

若竹や 是非もなげなる 蘆の中

さみだれや 鳥羽の小路を 人の行く

さみだれや 大河を前に 家二軒

ところてん 逆しまに銀河 三千尺