仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「やってはいけない実家の相続」    天野隆  (青春新書)

必要性を感じるようになってきたので
書店や図書館で相続関係の本をあたっています。
さまざまな本があり、アプローチの仕方も何種かあります。

相続税は減らさなきゃ損!」的な内容の本は
その方法を事細かに述べていたりします。
「そりゃ税金はできるだけ払いたくないけど、なんだかなあ」とすぐ棚に戻しました。



この本を読んで、
「そうだよ、これだよね。」と納得しました。

相続問題で一番大事なことは
税金を減らすことでも、自分の取り分を増やすことでもなく
今後の家族関係を円満に保つこと、です。

そりゃお金は大事だし、
自分はいらないから相続放棄します、とは言わないけど
自分の身内と断絶して多少のお金を余分に得たところで
幸せとはいえません。

不当な損害を被らないように
正しい知識を身につけるべきとは思いますが。



本文中の
「最近、書籍やセミナーなどで相続税減額のテクニックを説いているけど
現実的には無理だろうという小手先の方策が多い」
という行は、まったくその通りと思いました。


著者は「相続問題日本一」とうたう税理士事務所長で
文章中からも経験豊富であることが伺えます。

法律的な問題をわかりやすく説いている上に
人生相談的な心情的アプローチもしています。
まっとうな人間であればこういう気持ちで動くものだよね
という視点で話してくれているのがありがたい。

かといって、家族のためなら自分の利益は犠牲にせよ
とか説く訳ではなく
家族円満になり自分にとっても得という
とても現実的な方向性で話を進めてくれます。





相続問題に対しては
法律的知識を正しく理解して活用することも大事ですが
自分にとって何が一番重要なことなのか
見失わないように気持ちを保つことが
重要なのだとわかりました。

それから、門家に頼るべき問題で
どこに依頼するかの選択が重要だとも。