「日暮らし」 宮部みゆき

「ぼんくら」の続編の、時代ミステリー小説

 

上下巻で、計５編が収録されています。

 

 

 

「おまんま」

　

　岡っ引き　政五郎の子分の男の子、おでこくんの思春期の？悩みのお話。

　政五郎さんはやっぱりシブいなあ。おかみさんのお紺さんもいい女です。

 

 

「嫌いの虫」

　

　鉄瓶長屋の元差配人　佐吉の新婚生活。

　植木職に戻った佐吉ですが、何かにとらわれ心あらずの様子。

　新妻お恵ちゃんは悋気に苦しみます。

　　

　カラスの官九郎は死んでしまいます

 

 

　「子盗り鬼」

　

　佐吉の母　葵の生活がはじめて出てきます。

　湊屋総右衛門に庇護され、裕福な愛人生活を続けていたようですが、

　この時は江戸の田舎でひっそりと暮らしています。

 

　女中お六を守って悪人とやりあう所では、色気だけではない

　やり手ぶりを見せます。

　鉄瓶長屋の前々差配人　久兵衛さんが久しぶりに登場。

 

 

　「なけなし三昧」

　

　幸兵衛長屋の煮売り屋　お徳に、商売敵があらわれます。

　投げ売りを続けるお菜屋おみねには秘密があるようだが・・。

 

　弓之助の従姉おとよ（平四郎とは逆側の）が登場。

　おとぼけたお嬢さんだけど、捕り物にも協力します。

 

　　　　

「日暮らし」

 

　葵生存の秘密を知り、その家に出向いた佐吉だが、

　殺されたばかりの葵に出くわす。

　葵殺しの犯人を捜して、弓之助が活躍します。

 

　葵の佐吉への思い、湊屋正妻おふじの秘密、長男　宗一郎の胸中など

　湊屋ファミリーが出張ります。

　

　前作「ぼんくら」では敵役だった総右衛門や葵ですが、

　そのフォローをするかのように、彼らの心中が明らかにされます。　

 

 

　最後は、おとよの結婚披露宴という華やかな場面でお開きです。

　美形の女芸人に平四郎が夢中になり、細君につねられます