仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

能楽入門・入門

落語の他に、見に行くものとしてはお能能楽があります。
 
能は難しくて眠くなりそう、というのが一般的なイメージだと思いますが、
その通りだと思います(笑)
いまだに居眠りナシで見通したことはありません。
それでも行くのは、能には何かがあって、それをわかるようになりたいと思うからなのですが。
 
初めて見る場合、予習をせずに行くと訳わからなすぎて苦痛だと思います。
入門書はいろいろ出ていますが、本に書いてあること以前のことで
とまどうことがけっこうあると思います。
 
 
 
 舞台に幕がない。
 
能舞台は特別な設営で、中央部分が客席の方に出っ張っています。
だから幕をおろすことはできません。
 板張りの日本家屋みたいな感じです。
左半分は廊下になってて、はりだした中央部分には屋根がついています。
室内に屋根があるのってヘンな感じです。
 
 
 演目の開始と終了がいつなのか、はっきりわからない。
 
普通の演劇なら内容がどんなに難しくても、開始と終了くらいはわかります。
幕が開閉するし、拍手があります。
どころが、能は幕はないし客席が拍手をすることもありません。
 
始まりは、ブザーもアナウンスもなく
誰かが出てきて舞台上に道具を置いて、またひっこみます。
また別の誰か(楽器などをもっている)がでてきて舞台のすみっこに座ります。
次には役者さんらしき人(衣装が派手だから)が出てきて
動き出します。
気づけば演目が始まっているようです。
 
 
  誰が役者で、裏方なのかわからない。
 
舞台には10人くらいの人があがっていて、
歌舞伎のように、役者、黒子(役者の補助)、BGMの演奏者(太鼓や笛、謡)がいます。
でもだれがどの役だかよくわかりません。
舞台上の人たちはみな狭い一つの空間の中で活動をします。
 
多分登場の順番や座る位置は決まっているのでしょうけどわからないし、
服装の違いもよくわかりません。
歌舞伎の黒子なら服装ですぐわかりますが、能では役者以外の人は
みな同じような格好です。
 
役者も「シテ」と「ワキ」などの役柄の違いがあるようですが、
見ていてもわかりません。
 
 
 出入り口が二つ
 
出演者が舞台に出入りする場所は二つ。
 
左側の廊下の先にカーテンみたいなのがついている出口があります。
役者さんはこちらから出入りします。
出入りの時、カーテンが自動的にふわっと上がるのが不思議でしたが、
中に人がいてタイミングよくカーテンを動かすようです。
 
もう一つは舞台の屋根のある中央部分の右手です、引き戸を開けて出入りします。
こちらは役者以外の人が使うようです。
 
 
 
 ストーリーがわからない。
 
能のストーリーは古典なので、現代の人は普通知りません。
チラシにあらすじが書いてあるのを読んでもよくわかりません。
セリフが聞き取れないからです。
発声のしかたが独特なので、たとえばシナリオを見ながら聞いたとしても
今どのセリフを言っているのかわからないと思います。
 二人の役者さんがいて、どちらがどちらの役なのかも服装で推測するくらいです。
 
体の動きも独特で、現代演劇とは全然違います。
手足の動かし方、顔の角度一つにも意味があるそうですが・・・。
 
 
演目が終了する時もなんとなく終わります。
役者さんがみな出て行き、演奏者の方々もいなくなります。
舞台からだれもいなくなって、あれ~?と思っていると終了のようです。
アナウンスもないし、客席照明が明るくなったりもしません。
他のお客さんたちが帰り始めるので「終わったんだ」と判断します。
 
 
 
 
 
 
これだけ「わからん、わからん」と言いつつ、何を見に行くかと申しますと、
「美」があるんだと思います。
何かわからないけど美しいものがそこにある、と惹かれる気持ちです。
抽象芸術を鑑賞するつもりで通っています。