仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「初ものがたり」 宮部みゆき

時代もの連作短編集。捕り物帳系
「お勢殺し」「白魚の目」「鰹千両」「太郎柿次郎柿」など6編収録
テレビドラマになりました。 
 
 主人公は、「回向院の旦那」と呼ばれ、本所深川一帯を預かっている岡っ引きの茂七
 切れ者で心温かい親分が、手下の権三や糸吉を使いながら、事件を解決していく。
 
 茂七は、夜に店を出す稲荷寿司の屋台の常連になる。
 屋台の親父はなぞめいた人物で、時々事件にヒントを与えてくれる。
 深川のやくざ者の元締め 梶屋の勝蔵は親父と何らかの因縁を持つらしい。
 
 
タイトルの「初もの」は、旬の物、季節のものという意味の言葉。
一話ごとに、藪入り、白魚、鰹、柿、新巻鮭、桜などの季節を表す事物が使われています。
 
江戸の情緒、下町の人情、季節の風物など、いろいろ楽しめる物語です。
 
 
 
屋台の親父と梶屋の勝蔵の謎は解けていません。
続編は出ないのでしょうか。
 
「ぼんくら」「日暮らし」登場の政五郎の親分が、この茂七です。
この作品は「ぼんくら」より何十年か前の時代のようで
政五郎さんは登場しません。