源氏物語絵巻
十二世紀に描かれたもので、文章を筆で書いたページとその巻のある場面を絵に描いたページが
交互に続きます。
教科書によく載っているボロボロの絵です。
今回の展示では現存している巻を全て集めたそうですが、
それでも全五十四帖の四分の一しかないそうです。残念
一番好きな絵をハガキで買ってきました。
「夕霧」の巻の、雲居雁が夕霧の見ている落ち葉の宮の母からの手紙を
奪い取ろうと忍び寄っている所。
この夫婦の絵は他にもあります。「横笛」の巻の、夜中におびえた赤ちゃんに乳を含ませる雲居雁と
その隣の夕霧、というもの。
貴族らしからぬ庶民的な生き生きとした姿が描かれていて好きですね。
これは「橋姫」の、大君と中君姉妹。反対側から薫がのぞき見しています。
宇治十帖は、じめじめしていて華がないので、いまいちおもしろくないです。
その他、「蓬生」で末摘花の老朽化した屋敷の朽ち果て具合がリアルに
描かれていたのがオモシロかったです。
パンフレットの解説を見ながら見学しました。
巻名を見たら、すぐにどんな内容が思い出せるようになりたいなあ。
この絵巻は、数人の人が手分けをして描いたそうです。
字を見ると、なるほど巻によって違うのがわかります。
私は「竹河」の字が好きです。
平安の人は字を見ただけで、書いた人が誰なのかわかったといいますが
確かに筆文字は人によってかなり違いますね。
私たちでも男女の違いくらいならわかるかもしれません。
展示では本物の絵の隣に、最近描かれた複製模写が並べられていたので
絵の細かい部分までわかってよかったです。
本物はボロボロで、わからない所が多いので。
でも、お寺の建物や古い美術品などにもいえるのですが、
ぼろぼろな物を見慣れているので、新しくてピカピカだと
なんだかありがたみがありません