「茶の湯の掛物 一行書のよみかた」 芳賀幸四郎 [世界文化社]
お茶室には掛け軸がかかっています。
書いてある内容はいろいろですが
この本では、その中の一行書を取り上げ、意味を解説しています。
「一行」とは、禅語のなかから、その禅語の気韻、風流を伝える特定の言葉だけを
取り上げて揮毫したもの、だそうです。
露 ろ
「宇宙の根本の真理・如是法が眼前にいささかもかくすところなく、
すっくりとあらわれているぞ。よく見よ、見よ。」
福壽 ふくじゅ
幸福とは「福・禄・寿」を満たすこと。財産、地位、長寿
無事々々 ぶじぶじ
「造作にわたらず小細工をしないこと、素直で何ともない心」
花開蝶自来 はなひらけば ちょう おのづからきたる
いかにも春らしい光景。その奥にこめられた真意は何でしょうか。
樂中樂苦々中樂 らくちゅうのく くちゅうのらく
「禍福はあざなえる縄の如し」 総じて陰と陽とが相即相入し、明と暗が表裏一体の関係を
なしているのが、自然と人生とを貫く理法である。