仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

『生徒諸君 教師編』 庄司陽子

講談社女性誌「BELOVE」に連載中の教師漫画
 
「生徒諸君」のオリジナル・シリーズは、数十年前に大ヒットした感動大作。
私の思春期に感動した名作漫画ベスト10に入り、何度読んでも同じところで泣いていました。
 
 
しかし、数年前に教師編が始まるときは
「やめておいたらいいのに・・・」と思いました。
ドラマの金八先生が現代にはマッチしないのと同じ理由です。
 
それでも、ちらちらとは読んでいましたが、
生徒の状況には世情を取り入れつつも、ナッキー先生の熱血ぶりはやっぱり時代がかっているのですよねぇ。
 
他の教師がお手上げの、非常に困難な状況のクラスをナッキー先生一人で立ち直らさせたり、
二クラス同時に担任を持ってみたりと、現実にはあり得ないでしょう。
やりすぎたナッキーは職場からはじかれることになり、教師の道を追究するために
外国に修行に出るのでした・・・。
 と、そこまではまあいいや、と思えたのですが。
 
いろいろ思い悩む中で、親に対する心の傷が癒えていないことを
ナッキーは両親に打ち明けます。
心の傷というのは、両親が虚弱な双子の姉を育てるために、赤ん坊の自分を祖父母に預けたことです。
昔の私は涙してこのエピソードを読んでいましたが、今なら
「金持ちなんだから、乳母でも雇えば二人とも手元で育てられたでしょ?」と思ってしまいます(笑)
 
過去の作品にまでケチをつけるのはどうかと思うのですが、
成人して立派に働いている今になっても、幼少時の心の傷をひきずってるのを
臆面もなく親にぶつけるんかい、と冷めてしまいました~。
 
それから恋人の岩崎くんに相談もせずに海外脱出を決めてしまうのはどうなのよ、
と思いました。
自己完結というか、自己陶酔というか。
 
 
 
女教師物ならライバル誌の集英社「YOU」連載中の「ハガネの女」の方が
現代の感覚に合っていますね。
でもこっちも恋愛の展開には無理を感じるのよねえ。
女教師物語に恋愛はマッチしない?(笑)
 
 
 
庄司陽子氏や里中真智子氏の最近の作品を読んでいると
ファッション・メイクが全盛期のままで止まってしまっている盛りを越えた女性を
見るようなイタさを感じます。
もうご隠居なさって、過去の作品を大切にされた方が、と思うのですが。