仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「季節は書と共に 短冊の楽しみ」 田中登  [青簡舎]

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短冊に書かれた書を一つずつ紹介しています。
1月から12月までの月ごとに配列され、季節感を楽しむことが出来ます。
一ヶ月につき8作、計96の書が収録されています。
 
時代は中世から現代まで、作者は書家、歌人俳人など
バラエティ豊かなラインナップです。

 
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右は後花園天皇足利時代)、左は香川景樹(江戸後期の歌人
 

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右は種田山頭火(明治の俳人)、左は折口信夫(明治の民俗学者歌人
 

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   近衛信尹(桃山期の上流貴族)
大和和紀さんの「イシュタルの娘」の登場人物です。
なるほど男性的で豪快な書風です。
【左ページ】
 
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【右ページ】

見開き2ページで、一つの書を紹介しています。
作者の経歴や時代背景、書かれた文(歌)の意味など、わかりやすく説明されています。
 
レイアウトが全ページ同じなので、見やすいです。
左端に書が載っているので、ぱらぱらめくって書だけを見たり、
右端の作者名のところをめくって、気になる人のページだけ読んだり
と気ままに楽しめます。
 
全部一度に読もうとすると疲れるので
月ごととか気の向いた時に手に取ろうかと思います。
 
 
短冊という形式から、作品は短歌や俳句ばかりです。
歌や俳句がお好きな方にも楽しめると思います。
 
西東三鬼、相馬御風、西山宗因などなど
文学史の年表を見ているようなメンバーです。
 
書家だけを集めている訳ではないので
中には素人目にも上手ではないなあ
という書もあります。
そこがまた親しみやすくていいです。
 
 
書に興味はあるけど、くわしくはない
という私のような
初心者にも楽しめる一冊です。