「赤毛のアンへの旅」 松本侑子 [NHK出版]
「赤毛のアン」の舞台である、カナダ プリンスエドワード島を巡る紀行文
写真たっぷりで、アンの世界にひたれます
「アン」に登場した舞台あちこちの写真
本当に道(土)が赤いです。
アンのお部屋
乙女のアコガレです
ダイアナの家 オーチャードスロープの庭に咲き乱れる花々
アンとダイアナが初めて出会い、友情を誓った時のお庭です。
その他、本文中に引用されている古典文学の説明や
キリスト教の信仰について、民族的特性についてなど
さまざまな角度から「アン」の世界を解き明かしています。
今まで読んでいた時、引用文は深い意味まではわからなかったけど
出典を説明してもらうと理解できました。
クスバート家は「長老教会派」という宗派です。
どんな宗派なんだろうと思っていましたが、説明がありました。
マリラやアンはスコットランド系なんだそうです。
そもそも島や付近の地方はスコットランドの移民が多い土地なんだそうです。
文中にフランス人を蔑視する記述が時々出てきます。
それは、もともと島はフランスの植民地だったのが、その後イギリスの持ち物となり
フランス系の住民はイギリス系に迫害されるようになったという
歴史的経緯によるものだそうです。
どんな作品でも社会的・文化的背景をしることで
より深く理解できるものだと、あらためて思いました。
ちょっとこじつけがましいと感じる項目もありますが
「アン」ファンにはお勧めの一冊です。
久しぶりに本編を読みたくなり、シリーズを読み返しています