仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

『乙嫁語り』  森薫   [エンターブレイン」

近代英国メイド物「エマ」でメジャー?になった森薫氏の新作
今度は、19世紀 中央アジアのお嫁さん物
 
相変わらず、マニア魂(だましい)の塊(かたまり)といった作品。
作者に“キング オブ オタク”の称号をお贈りしたい。
 
民族衣装などの細かい書き込みといったらすごいです。
「ゴルゴ13」の斎藤プロみたいに、小道具専門のアシスタントがいる訳じゃないでしょうから
大部分は作者自身で描いているはずだし
費やす時間とエネルギーは膨大だろうなあ。
 
 
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アミル                         ライラ・レイリ
 
19世紀の中央アジアといっても、一般的日本人にはなじみがないので
ピンときませんよね。
シルクロード」「モンゴル」「遊牧民」などのキーワードが連想される辺りのようです。
 
作画が精密だし、時代考証も正確(に違いない!)だから、
歴史の勉強になりそうです。
 
 
それから、もちろんマニア筋の方々にはお勧めです!
初代ヒロイン アミル(20歳)は 「姉さん女房」「天然」「乙女」「野生」などなど
(作者の)萌えツボ満載です。
 
アミルのお婿さんカルルク(12歳)は、清く正しい美少年で、ショタ系。
アミルを略奪しにきたオヤジと闘う少年の勇姿には萌え萌えです
 
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カルルクの一家
祖父母・父母・カルルク・アミル夫婦と姉夫婦・姉夫婦の子4人の4代同居
 
 
結婚式                         狩り姿のアミルちゃん
 
 
 
 
 
今の所、お嫁さんは三代目の双子 ライラとレイリまで出ています。
私が一番好きなのは初代アミルで、その友達のパリヤちゃんも結構好き。
この娘が次の乙嫁かな。
双子ちゃんも悪くないです。
シリーズごとに舞台が変わり、
文化習俗にも差があるようなのですが、違いがよくわかりません
 
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                            ライラ・レイリとお婿さんたち
 
 
嫌いなのが二代目のタラス。
理由は「源氏物語」の夕顔が嫌いなのと同じです。
この人も同性に反感買うタイプだと思うんですけど。。。
 
 
 
真面目な視点としては
当時の民族性や文化性が読み取れるのが興味深いです。
 
大家族・家父長制で、結婚は完全に家同士のつながりです。
子どもの結婚は親が決める、婿側は多額の結納金を払い、嫁側は所帯道具をそろえていく
だから、貧乏だと結婚できません。
 
社会・家庭内における男女の役割分担がはっきりしています。
「家」の文化を受け継ぐのは女の役割です。
 
 
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「布支度」
お嫁入りの時持って行く布物多数を(テーブルクロス、ナプキン、袋、衣服などなど)
少女のころから、少しずつ刺繍していきます。
その柄にも各家庭の伝統が引き継がれています。
 
 
 
 
 

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家の建具
壁、柱、扉などなど
すべて人の手による彫刻入り。

 
 

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羊の放牧