仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「能・文楽・歌舞伎」   ドナルド・キーン  [講談社学術文庫]

日本文化研究家ドナルド・キーン氏が、日本の伝統的な演劇について
書いた文章をまとめた一冊
 
東日本大震災後の日本国籍取得以来、
キーン氏は尊敬する人物の一人になりました。
著作をいろいろ読んでみるつもりです。
 
 
 
自国の文化を知るためには、
外国の方の視点から見るのが
返って良い面もあると思います。
 
比較文化的論点で、客観的に分析されていて
わかりやすいです。
 
特に日本の文章は非論理的で
言語化しなくて済むものはなるべく言わずにすませる
という性質があるので、
欧米人が自国を母語で語るよりは曖昧になりやすいのでは
ないでしょうか。
 
 
 
ふとした疑問。
日本文化の対極として語るには
欧米がいいのでしょうか?
アジア諸国はもちろん同じグループだし、
イスラムはアジアだから欧米よりは近いし
アフリカは日本には馴染みがなさすぎるし。
 
 
 
 
この本は、
第一部:能   第二部:文楽   第三部:歌舞伎という構成です。
半分以上が能で、歌舞伎はちょこっとという感じです。
 
キーン氏も能がお好きなんだとうれしくなりました。
私は能は好きだけど、歌舞伎がどうも興味が持てません。
 
 
専門的な内容なので
ある程度の知識がない方にはおもしろくないでしょう。
興味のある方は日本文化への誇りが増す一冊だと思います。