仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

四月の歌  ‘古今和歌集より’

見わたせば 柳桜をこきまぜて 宮こぞ春の錦なりける 
 
世の中にたえてさくたのなかりせば 春の心はのどけからまし   在原業平
 
久方のひかりのどけき春の日に しづ心なく花のちるらむ   きのとものり
 
さくらちる花の所は 春ながら 雪ぞふりつつ消えがてにする    そうくほうし
 
春さめのふるは涙か さくら花ちるををしまぬ人しなければ    大伴黒主
 
み吉野の山べにさけるさくら花 雪かとのみぞあやまたれける    とものり
 
さくら色に衣はふかくそめてきん 花のちりなん後のかたみに    きのありとも
 
春霞たなびく山のさくら花 うつりむとはや 色かはり行く   
 
待てといふにちらでしとまるものならば なにを桜に思ひまさまし
 
この里にたびねしぬべし 桜花ちりのまがひに家路わすれて
 
桜花ちらばちらなむ ちらずとてふるさと人のきても見なくに     これたかのみこ
 
さくら花ちりぬる風のなごりには 水なきそらに浪ぞたちける    つらゆき
 
みわ山をしかもかくすか 春霞 人に知られぬ花やさくらむ     つらゆき