仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「孟子」    講談社学術文庫    貝塚茂樹

孟子」は、中国古典の四書の一つ
孟子という人物は孔子と並ぶ賢者と称され、合わせて「孔孟」と呼ばれる。
 
書「孟子」は孔子の「論語」と同様に、孟子の言行録となっている。
 
 
 
この本は
 1章 孟子思想の時代背景
 2章 孟子の人と思想
 3章 「孟子」という著作
という三部構成になっています。
 
本文に入る前に、孟子という人物のプロフィールや当時の時代背景が
説明されているのでわかりやすいです。
古典はその時代の知識がないと理解しにくいので。
 
 
論語」の有名な文章くらいは読んでいますが、
それに次ぐ「孟子」を読んだことはありませんでした。
 
日本語の慣用句・文がいくつか出てきて「おおっ」と思いました。
「五十歩百歩」「「浩然の気」「孟母三遷」「天時・地利・人和」「自暴自棄」などなど。
 
特に印象に残ったのは「修身の心得」という題がついた文章。
   人を愛して親しまれずんば、その仁に反れ。人を治めて治まらずんば、その智に反れ。人を礼して答えられ   ずんば、その敬に反れ。行いて得ざる者あれば、皆諸を己れに反求す。その身正しければすなわち天下こ   れに帰せん。
「自分のおこないが正しければ、天下の人がみな自分についてくる。」という内容。
 
 
 
孔子孟子を比べて思うのは
孔子は人格円満な欠点のない「聖人」だけど、
孟子は性格にやや難ありで、そこが聖人ではなく賢者と呼ばれる所なのでしょうか。