「呂氏春秋」 町田三郎 訳注 [講談社学術文庫]
呂不偉は、中国の秦の始皇帝が若いころの宰相。(その後、失脚)
「呂氏春秋」は、呂不偉の全盛期に、国に招いていた多数の学士の
識見や学説をまとめたもの。
だから内容的には、多種多様というか統一感がないというか。
たいてい思想書は一つの結論、主題があって、それに基づいた各論が並んでいるので
読んでいて一つの方向性が感じられるものですが
この本はバラバラ。
一つ一つのエピソードはなるほど、と思うものがあるのですが
どうも記憶に残しにくいです。どこに書いてあったっけ?って感じ。
中国の歴史の長さ、思想や価値観の多様性を感じたい方に
お勧め。
または、すでに中国思想に知識がおありの方が
読むとおもしろいのでしょうか。