仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

#その他文学

‘漢字展- 4000年の旅‘  東洋文庫ミュージアム(駒込)

東洋文庫は、広くアジア全域の歴史と文化に関する東洋学の専門図書館ならびに研究所です。 約90年に及ぶ歴史を有するアジア最大の東洋学センターであり、国際的にも世界5指の1つに数えられています。 東洋文庫は東洋学の研究図書館です。三菱第三代当主岩崎…

ドナルド・キーン氏のご冥福をお祈りします

アメリカ出身の日本文学者 ドナルド・キーン氏が逝去されました。 生まれ育ちはアメリカであるのに 日本文学を深く愛し、研究し世界に広めてくださった方です。 東日本大震災をきっかけに 日本永住を決め、国籍を日本に変更なさった時は 感動しました。 当時…

「寺山修司」   [ちくま日本文学全集文庫]

人間にとって生育環境は重要だ というのが感想。 この全集は巻末に著作者の年譜が載っていますが、 最初の項目(誕生)の次に成人後の履歴がぽんと来ている人と 誕生から成人までの履歴が細かく載っている人がいます。 細かく載っているのは、作品を理解する…

「平家物語  あらすじで読む源平の戦い」  板坂耀子 [中公新書]

副題の通り、平家物語をあらすじで知ろうという本。 古典文学の中でも、平家物語は親しみを覚えない作品でした。 戦いばかりで、暗そうで。 最近は、興味がわいて読んでみようかという気にもなっていたのですが いかんせん長い。 なかなか手をつけられません…

「宇治拾遺物語・十訓抄」  小学館

「日本の古典をよむ」というシリーズで 原文と現代語訳が交互に載っています。 本の概容や成立の歴史的経緯などが説明されていて 長い作品は、全文ではなく一部選ばれた文章が載せられています。 古文の勉強として読むのに良いシリーズだと思います。 「宇治…

「更級日記」   菅原孝標女

平安時代の日記文学の一つ 改めて読んだら意外とはまりました。 蜻蛉日記、和泉式部日記みたいに、 男女の愛憎どろどろ話ではないので、うんざりしません。 元文学少女同士の共感もあります。 小市民の地味な女性の平凡な人生を淡々と語っているという感じで…

「大和物語」

平安時代の歌物語 伊勢物語の影響を受け、 そして源氏物語に影響を与えているそうです。 実在の貴族、天皇が登場するので 歴史に興味ある人にもいいかも。 平安文学をいくつか読んでみるとわかるのは 相互に影響を与え合ってるということ。 同じ歌がいくつも…

「呂氏春秋」  町田三郎 訳注  [講談社学術文庫]

呂不偉は、中国の秦の始皇帝が若いころの宰相。(その後、失脚) 「呂氏春秋」は、呂不偉の全盛期に、国に招いていた多数の学士の 識見や学説をまとめたもの。 だから内容的には、多種多様というか統一感がないというか。 たいてい思想書は一つの結論、主題…

老荘思想

書名でいうと「老子」「荘子」 儒教と対照的な立場にある思想です。 老子は、「無為自然」を根本の立場とするとのこと。 何冊か関連の本を読んでみましたが 今の私にはミスマッチな感じで 読み流してしまいました。 まだまだ人生現役なので 世捨て人の心境に…

「大学」   宇野哲人 全訳注  [講談社学術文庫]

序文より この書物は、儒教の政治思想の根幹を極めて要領よくまとめたものである。 原稿用紙4枚ちょっとという短い文章にもかかわらず 飽きました 「校長先生のお話し」みたいな、えらい人のつまんない長話って感じです。 政治思想なんて、あっしには関わり…

「中庸」  宇野哲人 全訳注  [講談社学術文庫]

7中国の儒教の書物のうち、もっとも重要とされる 四書五経(論語、大学、中庸、孟子/易経、書経、詩経、礼記、春秋)の一つ 孔子の孫である子思の著作であると言われています。 「中庸」という言葉は私の座右の銘です。 もっとも日本で慣用句的に使われて…

「孟子」    講談社学術文庫    貝塚茂樹

「孟子」は、中国古典の四書の一つ 孟子という人物は孔子と並ぶ賢者と称され、合わせて「孔孟」と呼ばれる。 書「孟子」は孔子の「論語」と同様に、孟子の言行録となっている。 この本は 1章 孟子思想の時代背景 2章 孟子の人と思想 3章 「孟子」という著…

伊藤理佐サイン会

エッセイ・ショート漫画家の伊藤理佐さんのサイン会です。 横浜の書店で開催されたので行ってきました。 サイン会というものに行ったのは初めてだったので、おもしろかったです。 講談社の女性誌「kiss」に連載中の「おい、ピータン!」の新刊発売記念という…

「桜の園」   チェーホフ   [ロシア]

小説ではなく、戯曲(演劇の脚本) 古典的名作。 主人公は没落貴族の一家。女主人やその娘たち、そして使用人や周辺の人々が登場人物。 社会状況の変化に対応することができず、 領地を手放し、先のわからない生活に入る所までを描く。 太宰治の「斜陽」を思…

暦の言葉 ‘師走’

十二月の異称 梅初月(うめはつづき)、嘉平(かへい)、窮陰(きゅういん)、苦寒(くかん)、暮古月(くれこづき) 建丑月(けんちゅうげつ)、茶月(さげつ)、大呂(たいりょ)、二之日(にのひ)、果ての月(はてのつき) 師走の花 南天(なんてん)、…

暦の言葉 ‘霜月’

十一月の異称 一陽来復(いちようらいふく)、黄鐘(おうしょう)、神帰月(かみかえりづき)、広寒(こうかん)、朔易(さくえき) 周正(しゅうしょう)、露隠の葉月(つゆごもりのはづき)、天泉(てんせん)、竜潜月(りゅうせんづき) 霜月の花 山茶花…

暦のことば  ‘神無月’

十月の異称 応鐘(おうしょう)、亥冬(がいとう)、神在月(かみありづき)、極陽(きょくよう)、小春月(こはるづき) 呻月(こんげつ)、時雨月(しぐれづき)、大素(たいそ)、鎮祭月(ちんさいげつ)、良月(りょうげつ) 神無月の花 薄(すすき)、…

「源氏物語の色辞典」 吉岡幸雄  [紫紅社]

源氏物語に登場する衣装を、プロの染織家が再現した写真集 可能な限り、当時と同じ原料を使って製作したそうなので 本物の雰囲気が楽しめます。 平安期の色目が載っている色辞典はよくありますが、布地や染料が今のものだと イメージが違ってしまいます。 源…

暦の言葉 ‘長月’

九月の異称 彩る月(いろどるつき)、祝月(いわいづき)、詠月(えいげつ)、粛霜(しゅくそう)、梢の秋(こずえのあき) 授衣(じゅえ)、凄辰(せいしん)、暮秋(ぼしゅう)、紅葉月(もみじづき)、菊見月(きくみづき) 長月の花 萩(はぎ)、女郎花…

暦のことば  ‘葉月’

八月の異称 橘春(きつしゅん)、紅染月(こうぞめづき)、ささはなさ月、秋涼(しゅうりょう)、豆雨月(ずう) 桂月(けいげつ)、天岡(てんこう)、南呂(なんりょ)、雁来月(がんらいづき) 葉月の花 薊(あざみ)、捩花(ねじばな) 季節 二十四節気 …

暦のことば ‘文月’

七月の異称 瓜時(かじ)、親月(しんげつ)、素商(そしょう)、大晋(たいしん)、七夕月(たなばたづき) 肇秋(ちょうしゅう)、蘭月(らんげつ)、愛逢月(めであいづき)、流火(りゅうか) 文月の花 昼顔(ひるがお)、百合(ゆり) 季節 二十四節気 …

暦の言葉 ‘水無月’

六月の異称 弥涼暮月(いすずくれつき)、炎陽(えんよう)、庚伏(こうふく)、蝉の羽月(せみのはづき) 旦月(たんげつ)、鳴神月(なるかみづき)、林鐘(りんしょう)、松風月(まつかぜづき) 水無月の花 紫陽花(あじさい)、花菖蒲(はなしょうぶ) …

暦の言葉 ‘皐月‘

五月の異称 梅の色月(うめのいろづき)、啓明(けいめい)、写月(しゃげつ)、授雲月(じゅうんづき) 星花(せいか)、橘月(たちばなづき)、長至(ちょうし)、茂林(もりん)、田草月(たぐさづき) 皐月の花 藤、躑躅(つつじ)、カーネーション 季節…

暦の言葉  ‘卯月’

四月の異称 維夏(いか)、乾梅(けんばい)、清和月(せいわづき)、麦秋(ばくしゅう) 仲呂(ちゅうりょ)、孟夏(もうか)、木葉採月(このはとりづき)、純陽(じゅんよう) 卯月の花 桜、辛夷(こぶし)、チューリップ 季節 二十四節気 七十二候 晩春 …

「土佐日記」  紀貫之   [平安時代]

紀貫之は、古今和歌集の選者の一人で「仮名序」を執筆した。三十六歌仙の一人。 「土佐日記」は、 紀貫之が国司の任期を終えて、土佐から京まで帰る五十五日の船旅の様子を綴った日記文学。 文章は女性のふりをして仮名文字で書いている。 当時社会的地位が…

暦の言葉 ‘弥生’

三月の異称 花月(かげつ)、花飛(かひ)、季春(きしゅん)、春抄(しゅんしょう) 竹の秋(たけのあき)、花津月(はなつづき)、末垂(まつすい)、夢見月(ゆめみづき) 弥生の花 桃、菜の花 季節 二十四節気 七十二候 仲春 啓蟄 初候:蟄虫啓戸(すご…

「古事記(コジキ)」     [奈良時代]

日本史上、もっとも古い文献です。 日本の国の成り立ちから、第三十三代推古天皇までの皇統の記録を記した書。 神話として語られており、種別としては歴史書というよりは物語と呼んだ方が良いでしょう。 集英社の「田辺聖子の古事記」で読みました。 感想を…

暦の言葉  ‘如月’

二月の異称 殷春(いんしゅん)、梅見月(うめみづき)、華朝(かちょう)、橘如(きつじょ) 建卯月(けんぼうげつ)、星鳥(せいちょう)、小草生月(おぐさおいづき)、仲序(ちゅうじょ) 如月の花 椿、水仙 季節 二十四節気 七十二候 初春 立春 初候:…

「今昔物語集」   [平安?]

短い物語を集めた説話集 全31巻で、1000余りの物語が収録されている大作 日本・中国・インドを舞台とした巻がそれぞれある 内容は大きく分けて、仏教説話と世俗説話 「今は昔~」という冒頭が有名 長い作品なので、現代語訳の本は選りぬいた話だけをま…

「とりかえばや物語」

平安大貴族の娘と息子が性別を取り違えて成長し、苦労の末に本来の性に戻り 栄達し幸せに暮らす、という奇抜な物語。 氷室冴子さんが「ざ・ちぇんじ」というタイトルで小説化し、 それをさらに竹内直実さんが漫画化しています。 氷室さんはさすがに少女向け…