「あなたにありがとう。」 松浦弥太郎 [PHP文庫]
副題は「暮らしのなかの工夫と発見ノート」
人付き合いの知恵を説く、といったような内容です。
著者は、雑誌「暮しの手帖」の編集長
「暮しの手帖」は主婦向けの家庭的な雑誌です。
素朴で元祖癒し系という雰囲気で和みます。
非常に良心的な記事内容で、
企業におもねる宣伝記事などはなくて
市民や家庭の立場にたった編集方針です。
暮しの手帖社が出している書籍は
癒しが必要な時に手に取りたくなります。
今回もそうだったのですが・・・。
読後の印象は違いました。
当たりはソフトだけど、言っていることはけっこう厳しい。
それから雑誌の読者層は圧倒的に女性のはずで
この本も一見女性向けの内容みたいだけど
実は男性の論理だなあと感じました。
女性よりも、人付き合い(特にプライベートの)のアドバイスが
必要な男性に向いてる本かも。
松浦氏の人付き合い論を一言でまとめると
理性的に、つかず離れず、ほどよいバランスで、
といった所でしょうか。
女には無理でしょう、これ
「不満をいわない」
なにか不満を感じたら、ぐっと口を閉ざしましょう。ぶつぶつ言ってすっきりする間に自分を振り返ってみましょう。
私には絶対無理
「愚痴は言うためにある」というのが持論。
ただし、言えばそれですっきりしてキリがつく、というものに限りますが。
「愚痴は女の専売特許」
自分は言うけど、愚痴っぽい男は嫌いです
「弱さを武器にしない」
強い立場を利用していばったり、相手を従わせようとするのは論外。パワーハラスメントと呼ばれ、ゆめゆめしてはならない恥ずかしいふるまいだと、誰でも知っています。
同じように、弱い立場を利用して自分の意を遠そうとするのも、してはならないふるまいです。とくに人間関係がうまくいかないとき、自分の弱さに逃げ込んではなりません。
ところが、弱さを武器にする害については、あまり言及されることがありません。おそらく、それだけデリケートな問題だということでしょう。僕はここで、あえて書いておきたいと思います。・・・・・・・・・・
相手の弱さを痛みを想像し、思いやることは大前提ですが、自分の弱さや痛みを他人に押しつけることは、また別の話です。
弱さを人間関係の武器をするのは、厳しい表現をすれば、卑怯者のふるまいだと僕は思っています。
この話が一番感銘を受けました。
昨今、モンスター○○が増えていることにも関連してるのではないでしょうか。
ニュースを見た時、この文章を思い出しました。
「家族を守る」
こうした集まりで大切なのは、みんなの接点になる人が「気遣い役」になることだと思います。たとえば、僕の友だち一家と僕の家族で集まったなら、家族にとってそこにいる人たちとの接点は僕です。家族がいやな思いをしていないか、居づらくないか、無理をしていないかと気遣うのは、接点である自分の役目だと思っています。「オレの友だちだから仲良くして」というのは、あまりに乱暴ではないかと思います。
世の亭主族にぜひよませたいですね~
女性には必要ないです。当たり前にそういう気遣いをしているはずだから。