仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

‘和歌を愛でる’展①   根津美術館(青山)

イメージ 1
 
根津美術館で16日まで開催
 
和歌にまつわる古典作品の展覧会です。
書が中心で、その他、和歌の入った絵画や和歌をモチーフにした工芸品があります。

 
イメージ 2
                                正門
イメージ 3イメージ 6
                        門を入ってすぐ、灯籠たちがお出迎え
イメージ 4
                     舟形の石の中には先日の雪が残ってます。
                      これって、わざとこうしてるんでしょうね。
 
イメージ 5
正門から入り口までのアプローチが素敵です。
雪かきの具合も計算されていそうです。
 
 
 
 
美術館は、建物やたたずまい全体が美的空間であってほしいものですが
根津美術館は別格、という気がします。
 
美術品鑑賞に来たというより
趣味人のお屋敷に訪れた、という気持ちになります。

 
 
 
 
展示も、会場に入った瞬間
違う空気を感じました。
 
他の館の展示でも、作品の質的にはきっと劣らないはずなのに
この違いは、やっぱり運営者の趣味かなあ。
書そのものは作者が書くけど
装丁は所有者の趣味でするものでしょうから。
 
こちらの一番奥の展示室は
いつもお茶道具が飾ってあります。
今回は初釜のしつらえ、ということでより特別感がありました。
 
順路通りに回っていたら、初釜のお席によばれているお客のような
気分になりました。
他の館で「茶席風の展示」という説明に期待して行ったら
???ということがありました。
どこに違いがあるのかしら。
 
 
 
 
 
「和歌を愛でる」展は、作品数は多くないですが
満喫できました。
 
特に気に入った作品は二つ。
まず「扇面歌意画巻」
和歌を扇の絵に表したものに書が添えてある、
というのが百首並んでいました。
 
仮名文字の書なんて全然読めないから
何の歌なのかわからないのですが
絵が添えてあるから、その雰囲気から想像することで
楽しめました。
書の勉強中の私にはぴったり。
 
有名な歌ばかりのようなので
伊勢物語西行など)
知っている歌が見つけられると、うれしかったです。
 
説明書きが添えてある歌は少ししかないので
あまり確認できませんが。
あえてそうしてあるのでしょうね。
 
 
 
もう一つは「吉野龍田図屏風」
 
二枚組の大きな屏風で
吉野の桜、竜田川の紅葉、という日本の歌枕の代表格二つを
画面いっぱいに華麗に描いている屏風です。
 
それぞれの枝に短冊がかかっていて
古今和歌集」と「玉葉和歌集」のこの二つの名所にちなんだ
和歌の書が書いてありました。
 
短冊がひるがえっていて、和歌が全部見えなかったりするのが
また奥ゆかしくていいです。
 
「日本文化とは?」という問いの、一つの答えにしてもいいんじゃないか
と思うくらいの作品でした。
 
 
 
初春気分を満喫できた展覧会でした。