仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「我が家の問題」   奥田英朗   [集英社]

「家日和」の続編です。
 
といっても同一テーマ(家庭)の短編集というだけで
一つずつの作品にはつながりはありません。
 
奥田氏には数少ない心温まる系作品です。
 
前作よりも時代が変わった世相を反映してか
身につまされる内容が多いです。
 
 
 
「ハズバンド」は
夫が職場で無能者扱いされていることに気が付いた妻の苦悩。
この夫は高学歴ではあるので、発達障害かな?という気も。
 
「絵里のエイプリル」は
両親が離婚したがっていたことに気づいた女子高生の苦闘。
 
「夫とUFO」は
突然夫がUFOを信じるようになり、愕然とする妻。
実は会社の人間関係が原因でした・・・。
 
 
テーマ自体はシビアなのですが
主人公は前向きにがんばっていくというラストなので
ほっとします。
 
 
 
 
私がおもしろかったのは
甘い生活?」
 
新婚なのに帰宅拒否症の夫。
原因は、良妻の完璧な世話焼きぶり。
 
奥さんの鑑のような家庭的な妻なのに
夫はそれがストレス。
もっとほおっておいてほしい。
 
ネタの一つに「カップラーメンを食べさせてくれない」というのが
ありました。
それってそんなに重要?と思い、
二、三の男性にリサーチしてみたら
わからなくもないようです。
 
まあ、私もかまわれすぎるとストレスって
気持ち自体はわかるのですが。
 
 
 
唯一前作とつながりがあるのは「妻とマラソン
「妻と玄米ご飯」の続編です。
 
前作では小学生だった息子たちが
中学生になっていて
時間の経過が感じられるのがおもしろいです。