三島屋変調百物語シリーズ (宮部みゆき) [文藝春秋]
時代 ミステリーというかオカルトもの
短編集ですが、話は続いています。
江戸の小物屋 三島屋の娘おちか が
訪れる人々の不思議物語を聞く という設定。
現在シリーズ3巻まで出ています。
①おそろし ②あんじゅう ③泣き童子
一巻ごとに読後感はかなり違います。
①は心温まらず、イマイチすっきりしないラスト
②は心温まる系。他の時代人情物に近い雰囲気。
③は怖い、です。ストレートに怪談物語な感じ。
主人公おちかは
川崎の旅籠の娘だが、許嫁が幼なじみの男に殺されるという事件のため
叔父の家である江戸の三島屋に身を寄せることになる。
事件への自責の念のため、最初は暗~くうっとおしいおちか。
百物語が進むにつれて心がほぐれていくのですが、
恋愛方面にだけはガードが堅い。
相手になる男性が登場するので、そういう展開になる訳ですが
その辺りがかたくなというか不自然で、
私的にはひっかかる所です。
まあ、そこは置いといて読むのですが。
好きな話は二巻目収録の「あんじゅう」
あんじゅう(暗獣)とは、無人屋敷の精霊?ですが
これがもう、かわいいんです、けなげで。
この話は何度読んでも泣きます。
三巻目の「泣き童子」はマジ怖い。
読んだ後トイレに行けなくなる怖さ。
日本の伝統的な怪談の流れを汲んだお話し。
背負った子どもが自分が殺した男の生まれ変わり、
みたいな話がありましたが、
それを思い出しました。
原典が何かあるのかなあ。