仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

特別展 「台北 国立故宮博物館 -神品至宝ー」   国立博物館(東京 上野)

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現在開催中の 故宮博物館展です。
 
外国の館展は見ておかないと。
次の機会があるかわからないし。
 
 
作品の内容としては
中国の過去の皇帝のコレクションだそうです。
だからバラエティに富んでいました。
書画、工芸品など。
時代にもある程度幅がありました。
 
 
 
外国の芸術品を見ると感じるのは
私は和物愛好家だということ。
 
欧米などとは違って
中国だと日本文化と重なる部分も多いだけに
「どこが好き(ダメ)」というのがはっきりわかります。
 
中国との大きな違いは、色彩感覚かな。
あとはデザイン。
品物の種類が同じでもデザインが派手ですよね。
 
日本文化の中にも豪華華麗な種類はあるけど
スケールが違う気がする。
 
 
 
 
 
 
それから文化というか価値観の違いを感じたこともありました。
 
書画作品で、明らかに違う人物たちの書がたくさん書き込まれているものがありました。
絵は作者が描いたもので完成ではなく
見てもらった人に讃(感想文、ほめ言葉?)を書き入れてもらうものなんだそうです。
 
色紙の寄せ書き状態で、
元々書いてあった絵の方が肩身狭そうだったなあ
 
 
 
それから、絵に赤いスタンプがべたべた押してあること。
日本の絵にも赤い印は押すものだけど、一つか二つくらいですよね。
 
それは所有者の印だそうです。
図書館の本とかに押してあるような。
 
所有者=皇帝が変わる=王朝が交代
の度に押すので
時代が古い作品なんかは
スタンプ押しまくりで、中国の政権の変遷が辿れます。
一番新しいのは「教育部」。これって現政権?
 
 
皇帝が芸術品を蒐集するのは
趣味の問題だけではなく、権威を高めるとかそういう意味があるそうで
だから所有権を明確にすることが重要なんでしょうね。
 
それにしても日本だったら
作品の表には押さないんじゃないかなあ。
 
 
 
それから家臣が皇帝に奏上した文書の末尾に
皇帝が赤字で添削、いや返信をしていた。
ヘタすると赤字の文の方が長くなったとか。
 
 
 
 
 
 
 
 完成された作品に     手を加えてはいけない
 作者じゃない人間が
 
という感覚は、ある時代以降の日本人には当たり前だと
思いますが、中国では違うのかも。
海賊版が横行する背景にも価値観の問題があるのかもしれません。