仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

九月の歌   ‘小倉百人一首より’

天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも     安倍仲麿
 
今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな    素性法師
 
月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど     大江千里
 
有明の つれなく見えし 別れより あかつきばかり 憂きものはなし    壬生忠岑
 
やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな   赤染衛門
 
心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな   三条院
 
秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ    左京大夫顕輔
 
八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり   恵慶法師
 
夕されば 門田の稲葉 おとづれて 芦のまろやに 秋風ぞ吹く     大納言経信