仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

二月の歌  ‘万葉集より’

梅の花 咲けるががなかに ふふめるは 恋かこもれる 雪を待つとか    茨田王

梅の花 降り覆ふ雪を 包み持ち 君に見せむと 取れば消につつ   

我が園に 梅の花散る ひさかたの 天より雪の流れ来るかも       大伴旅人

梅の花 夢に語らくみやびたる 花と我れもふ 酒に浮かべこそ     大伴旅人

梅の花 散らまく惜しみ わが園の 竹の林に 鶯鳴くも         阿氏奥島

明日よりは 若菜つまむと 標めし野に  昨日も今日も  雪は降りつつ     山部赤人




あめつちの 分かれし時ゆ かむさびて 高くたふとき 駿河なる 富士の高嶺を 天の原 振りさけ見れば 渡る日の 影もかくらひ 照る月の 光も見えず 白雲も い行きはばかり 時じくぞ 雪は降りける 語り継ぎ 言ひ継ぎ行かむ 富士の高嶺は

田子の浦ゆ うち出てて見れば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける         山部赤人