仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「柳田國男」   ちくま日本文学全集文庫

民俗学の第一人者 柳田國男

多くの文章を遺していますが
有名なのは
  「木綿以前のこと」「遠野物語



現在、私たちにもっとも身近な布地といえば木綿ですが
意外と歴史は古くない。
麻と絹の方が古いんです。

それでも今は木綿が一番ということは
それだけの性能があるということ。

木綿が日本人の生活に普及したことで
文化の上でもさまざまな影響があったということを
「木綿以前のこと」では述べています。




遠野物語」は
岩手県遠野地方に伝わる民話を蒐集した書。

地元で語り継がれたお話を記録した、というもので
特に脚色や編集はないとのこと。

現代人にとっては荒唐無稽なおとぎ話。
昔話としてどこかで聞いた話もあるし、
同種の話がいくつも続いたりもします。
でも、飽きずにどんどんページをめくってしまいます。
目を離させない力があります。

21世紀になっても
「桃太郎」や「かぐや姫」のお話しが
廃れない理由は
昔話には普遍的な力がある
ということなのでしょうか。




当時は人々にとって当たり前のことで
わざわざ意識することもない分野を
一つの学問として打ち立てた
柳田國男の功績はやっぱりすごいです。