「永井荷風」 [ちくま日本文学全集文庫]
ものの本の解説通りの作風だなあと思いました。
粋とか浪漫とか江戸情緒とか。
私は、現実社会や生活を直視しないタイプの人はダメですね~。
小説はフィクションではあるけれど
現実社会のリアリティの上に立った
創作じゃないとおもしろいと思えないんです。
代表作の一つ「すみだ川」は
芸人気質の少年がその道に進みたいのに
堅い職業に就かせたい母親に逆らえず、
恋心を抱いた幼なじみの少女が離れていくことも加わって絶望し、
自殺する勇気もないので、我から熱病にかかるような行動をとって倒れる
というお話し。
鴎外の「舞姫」同様、後ろから蹴飛ばしたい系です。