「萩原朔太郎」 [ちくま日本文学全集]
萩原朔太郎は、近代の著名な詩人の一人。
詩(いわゆる口語自由詩)は、西洋的な文学で
日本の伝統的価値観にはなじまなくて
自分には合わないと思っていましたが
やっぱりそうです。
「恋愛」という概念は、明治以前の日本にはなかった
と聞いたことがありますが
「青春」とか「感傷」とかもそうじゃないかなあ。
それ系の自己陶酔的文章を読んでるとイライラしてくるんです。
奥さんに色気がないのが気に入らなくて
勉強にと、社交場に連れ出した。
すると奥さんが若い男との遊びにはまってしまい
子供を放置して外泊したから殴って離婚した。
自分は詩人で結婚に向いていない。
とかいい気で語ってる所が腹立つ。
男のくせに、女房の恥を公表するなんて
みっともない。
巻末の年表で婚姻歴を知ると
さらにむかつきます。
おもしろかったです。
特に、小泉八雲は一般的な偉人的イメージを覆す内容で
驚きました。
ところで、この全集に
中原中也が収録されてないのはなぜなのでしょう。
散文なしで、詩だけじゃダメということかしら。
近代日本詩人の代表と言えば
私にとっては中也なのですが。
中也の詩はイライラしません。
他の詩人と何が違うのかな。
意外と恋愛を詠ってないし
本物の(他者を意識していない)自己陶酔だからかなあ。