仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「寺山修司」   [ちくま日本文学全集文庫]

人間にとって生育環境は重要だ
というのが感想。


この全集は巻末に著作者の年譜が載っていますが、
最初の項目(誕生)の次に成人後の履歴がぽんと来ている人と
誕生から成人までの履歴が細かく載っている人がいます。

細かく載っているのは、作品を理解するのに
生育歴を知る必要があると思われる場合のようです。
ごく当たり前の家庭で一般的な生育過程を経ましたという履歴ではない。

物事に対して一般的な受け取り方をせず変わった角度から見る、
多数の人が興味をもつ事柄に関心が低い、
というふうになるのかなあと思いました。


思うに作家は
生育歴が一般的でない割合が高いのではないでしょうか。
ごくごく当たり前に育ったら、文章を書くことを生業とするような特殊な人間には
なりにくい気がします。





この全集を読んでいて
「世の中にはさまざまな人間がいるものなんだなあ」
と改めて 思います。
文章ってどんな種類でも
結局作者の人間性を表すものだから。

共感できる作家は
生育環境がある程度近い人物であるような
気がします。