仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

九月の句   ‘松尾芭蕉の俳句より’

秋ちかき 心の寄りや 四畳半

秋来にけり 耳をたづねて 枕の風

はつ秋や 海も青田の 一みどり

牛部やに 蚊の声闇き 残暑哉

東にし あはれさひとつ 秋の風

見送りの うしろや寂し 秋の風

あかゝゝと 日はつれなくも あきの風

桃の木の 其葉ちらすな 秋の風

秋風や 桐に動いて つたの霜

物いへば 唇寒し 秋の風

ざらしを 心に風の しむ身哉

いなづまを 手にとる 闇の紙燭哉

あの雲は 稲妻を待つ たより哉