「日本人のための世界の宗教入門」 齋藤孝 [ビジネス社]
日本の社会人の教養書として必須だと思います。
日本の宗教事情というのは世界的に見て特殊なので、
そこんとこを自覚すべきだと思います。
国際化を目指すなら、英語を身につけるより
こちらを優先すべき。
国際紛争の種になりますから。
テロ問題の解決のためにも
必須教養です。
とはいえ、戦後の日本人にとっては
「宗教」というものはなじみがないので
しきいが高いです。
齋藤孝氏の文章はわかりやすいので
入門書としてお勧めです。
第一章で「人間はなぜ宗教を求めるのか」を論じ
わかりやすく説明しています。
現在の国際紛争と宗教との関連についても述べていて
即、役立ちます。
戦時の軍国主義教育の反省を生かして
公立学校教育での宗教教育はタブーとなっています。
でも、思想統制のためではなく
知識としての宗教学習は必要と思います。
きなくさい昨今の日本の情勢では学校には持ち込まない方が
無難だけど。
日本人の多くは、イスラム=テロ的な認識を持っていると思いますが
もっとイスラムの正しい全体像を知る必要があるでしょう。
日常生活までもが規制されるというのは事実のようですが
今の日本のような無宗教社会より、ある意味幸福に暮らせるような気もします。
だって、無宗教=人生のすべてが自己責任
ですから。
これってけっこう厳しいです。
神様にゆだねてしまえば、自分の人生の選択にいちいち悩まなくて済みます。
「個人の自由」=万能ではない
ということを考え直すべき時代という気がします。