仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

『魔法のリノベ』  星崎真紀   [双葉社]

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リフォーム(リノベーション)工務店の物語。
いろんなお客さんの家を改築します。
リフォームとリノベーションって何が違うのかよく分かりませんが。


漫画としては意表をつくネタでしたが、
家族物語のテーマとしてはうまいなあ
と読んで思いました。

家族がある程度の年月を過ごしてからの改築ということで
新築を買う若い家族より、家族の実像がリアルに反映されるのかも。

実際、工務店さんはどろどろの家族争議を目の当たりにすることも
あるのかもしれません。
まあ、この作品は漫画ですから、ほのぼの系ですが。



本筋とは関係ないことが気になりましたが
作中、リノベーションの方向性としては
間取りを大きくして壁をなくすことが多いようです。
実際の流行なんだと思いますが
エコに反してるよな~、と。
光熱費が増えるに決まってるから。

某通販の家庭内雑貨製品で
冬場の結露対策のボード、
リビングの足下の冷え対策の間仕切り、
階段から部屋へののすきま風対策ののれん、
とか見ていると
そもそも生活に不合理な家を建てるのが悪いと
思っちゃいます。

結露対策商品は窓に貼るシートとか立てておくボードとか
ありますが見栄え悪くて、こじゃれた新築のおうちもだいなしな感じ。
雨戸があれば結露なんてしないはずだけど
昨今、雨戸のない家も多いですから。
あれって外からの見た目のため?

雨戸ないと、冬場の暖房効率が悪くなり
結露が発生するんですけどねえ。



ダイニングキッチンって、高性能の換気扇付けているのかな。
料理の匂いとか油汚れがダイニングに染みついたりしないんですかね。

対面の流しだと、水はねが部屋に飛んだりとか
そういう不備が起きないように設計してるんでしょうか。






作者の星崎氏は、もともと白泉社の少女誌の出身で
少女漫画おたくのころよく読みました。
年齢とともに女性誌に異動したので
今でも時々目にします。

少女漫画家が何十年も活躍し続けられることはごく少数。
年取っても少女の心を保てないと無理でしょうね。

消えてしまう作家が一番多いと思うけど
イヤなのは、官能系の作家になってしまうこと。(時々いる)
昔夢中だったアイドルがAVに転向したのを見て
「俺の青春を返せ!」といいたくなる心境というんでしょうか。

一時期大ヒットした作家がいつまでもその作風をひきずっているというのも
げんなりするものですが。
年取っても自分の全盛期のファッション、メイクから抜けられない痛いヒトって感じ。


星崎氏のように、ご自分の年齢とともに
違うテーマを見つけ新しい作品を生み出していく作家さんを
見るとほっとします。
人間として成熟していらっしゃるんだなあ、と。