仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

五月の句   ‘与謝蕪村の俳句より’

広庭の ぼたんや 天の一方に

若葉して 水白く麦 黄ばみたり

地車の とどろとひびく ぼたんかな

寂として 客の絶え間の ぼたん哉

花いばら 故郷の道に 似たるかな

粽解きて 蘆ふく風の 音聞かん

稲葉殿の 御茶たぶ夜や 時鳥

実ざくらや 立ちよる僧も なかりけり

更衣 矢瀬の里人 ゆかしさよ

白がねの 花さく井出の 垣根哉

おちこちに 瀧の音聞く 若葉かな

谷路行く 人は小さき 若葉哉

木がくれて 名誉の家の 幟哉