仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

八月の句     ‘与謝蕪村の俳句より’

掴みとりて 心の闇の ほたる哉

昼がほや すみれの後の ゆかしさよ

すずしさを あつめて四つの 山おろし

涼しさや かしこき人の 歩行渉り

我が影を 浅瀬に踏みて すずみかな

みな底の 草にこがるる ほたる哉

眉ばかり 出して昼寝の うちわかな

蝉も寝る 頃や衣の 袖畳

夏河を 越すうれしさよ 手に草履

半日の 閑を榎や せみの声

二十日路の 背中に立つや 雲の峰

堂守の 小草ながめつ 夏の月

烏稀に 水又遠し セミの声

白蓮を 切らんとぞおもふ 僧のさま

鮎くれて よらで過ぎゆく 夜半の門

青梅に 眉あつめたる 美人哉