仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

十月の句   ‘与謝蕪村の俳句より’

白萩を 春わかち取る ちぎり哉

中中に ひとりあればぞ 月を友

山の端や 海を離るる 月も今

地下がりに 暮れ行く野辺の 薄哉

うつくしや 野分の後の とうがらし

紀の路にも おりず夜を行く 雁一つ

花守は 野守に劣る けふの月

月見れば なみだに砕く 千々の玉

夜の蘭 香にかくれてや 花白し

天狗風 のこらず蔦の 葉裏哉

日は斜め 関屋の槍に とんぼかな

まんじゅさげ 蘭に類ひて 狐啼く